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ばっと顔を上げた彼女の目は据わっていた。
近い距離にいた処刑人でもあった彼が思わず一歩下がってしまう程の凄みだった。
立香はその目のまま、四人を見渡し指示を出す。
「人理継続保障機関フィニス・カルデア、医療班」
まるで地を這うような声である。
女性ならばこんなにも低い声は通常でるはずがない。
だが、立香は地獄からの呼び声のように、その怨嗟の心を胸に無理矢理推し秘めて、一人呼ぶ。
「………ドクター、サンソン」
「あ、うん？」
「……錬金術師、パラケルスス」
「何かな？」
「……クリミヤの天使、ナイチンゲール」
「はい」
「……医神、アスクレピオス」
「なんだ、僕は忙しいんだ」
四人の真名を呼んだ立香は悔しそうに一度言葉を詰まらせ、そしてもう吐き出すように言葉を紡いだ。
「ウイルス！ 殲滅するのを！ 手伝ってください!!!!」
は？ と人である三人は首を傾げた。
神に部類される一人がウイルスと聞いて目を輝かせているが。
「まじでもうあの憎っくきウイルス殲滅するの手伝ってください！ ゴーストバスターズじゃなくてウイルスバスターズだけどさ!!!!」
「いやマスター、わかるように説明してもらっても？」
「新種のウィルスか、なるほど、面白い。いいだろ、僕は手を貸してやってもいい」
「流石アスピ先生！ 絶対食い付くと思ってた！」
「……なるほど、わかりました。医療が逼迫して死者が大勢でているのですね。由々しき事態です。人々を救うのが私の定め」
「ナイチンゲールぅ！ やっぱ貴女ならそう言ってくれると思ってた！」
賛同するキャスターとバーサーカー。
諸手を上げて立香は喜び、そしてにこりとした笑みを浮かべて残りの医療班の二人に尋ねる。
「もちろん、サンソンもパラケルススも手伝ってくれるよね？」
それは誰もが可愛いといえるような愛らしい笑みであった。
だが、医者と錬金術師にはその背後に手伝わなかったらどうなるかわかってるだろうな？ という凄味を感じてた。
ちらりと隣を見れば、彼も見ていた。
「……私で手伝えることがあるのなら」
「彼のいう通り、マスターの指示に従うよ」
斯くして、人理継続保障機関フィニス・カルデアの医療班は世界的に流行している某ウイルスを殲滅するために立ち上がったのだった。
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うふふー。該当地域の全映画館休館なんですってー、うふふー。まじでウイルス火でくべて殲滅してやろうかなぁー、うふふー。
(訳:キャメロット見れないつらい)
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作者名：翔べないペンギン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時：2020年7月12日 2時
