■その歌は── ページ28
「 La lu la ……」
星が瞬く夜、シルクのベールを纏った少女は唄う。
ラルララルラと、唄う。
月のない満天の星空の下、白く光る砂海の上でくるりくるりと踊るように。
誰かを想うように。
誰かを悼むように。
星々の観客の元、ただただ少女は唄う。
唄い、唄い、唄って。
そして膝を付いた。
砂の絨毯が少女の足を優しく撫で、ふわりと砂が舞う。
ゆるりと舞い上がる砂は星明かりに照らされ、きらきらと光り、砂海へと吸い込まれていった。
「…… Lu la la 」
ぼんやりとその様子を眺めていた彼女だが、思い出したかのようにまた唄い出す。
星の観客達へ捧ぐように、夜空を見上げて唄う。
許しを乞う罪人のように。
罰せられることを望むかのように。
手を伸ばし、天にいるという神へ、この胸に残る罪を裁いていただけるように。
少女は唄った。
「 La la la ……, Lu la
la ……」
だが、空は何も応えない。
ただ星が瞬き、夜空を照らすだけ。
あぁ、私は罪さえも裁いてもらえない程の
「 La lu la ……, La lu la ……」
少女は涙を流しながらなおも唄う。
今度はその二本の足で確りと立ち上がると、歩み始めた。
天が裁いて下さらないのなら、裁いていただけるところへ行くまで。
「 lu lu la la ……」
だけど裁かれるのなら、せめてあの人の手で──。
そう願う少女は月のない星の元、進むべき方向へと歩みを止めなかったのだった。
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たぶんギネヴィアを書きたかったのだと思うけどいつ書いたのかわからなくなったので供養のために。
気力があればギネヴィア書きたいですが先にメインを完結させたい。
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2020年7月12日 2時