■愛情の裏返し(twst/オクタヴィネル寮) ページ21
好きという感情には様々な二次的感情も付与される。
大人であればそうなのだろうけど、子供であれば気を引きたいがために好きな子にちょっかいを掛ける、というものが最もわかりやすい例であろう。
かく言う私も、幼少期に好きな子に対してちょっかいを掛けたものなのだけども。
「いやいや、あれは間違いなく暴言だった」
子供というのは純粋無垢ゆえに、ストレートな言葉の暴力を自覚なく発射している。
幼い頃の私の数々の悪行というのか、言葉の刃というのか、もうなんの抵抗もできない稚魚が獰猛な肉食魚の前に放り出されるくらいのおそろしい発言をしてしまっている。
「何が暴言なのです?」
「あらー? ジュゴンちゃんじゃーん。どうしたの? また昔の黒歴史思い出して一人でいじけてたの?」
「うるさい。お前らはいいじゃん、あいつと一緒にいられてさ」
ひょっこりと背後から現れたそっくり顔にむすりとした表情をしてしまう私は悪くない。
生憎女だから、一緒の学校に進学できなかった私は子供の頃からの悪友でもあるこの双子にちょいちょいと彼のことを聞いている。
もちろん彼には内緒で。
今日も時間を割いてもらって彼の現状とかを聞かせてもらうのだけど、それの見返りにそこそこ高めのモーニングを奢らされている私って……。
「まぁ、昔の貴女はガキ大将の名に相応しい程の悪行の数々をされていましたからね。アズールが貴女のことを嫌っていて同然ですよ」
「名前を出した瞬間凄い顔してたもんねー、アズール。二度と会いたくないって言ってたしー」
「……私をいじってそんな楽しい?」
「えぇ」
「もちろーん」
この性悪ウツボめ!
えぇ、そうですよ、全部私が悪いんですよ。
好きな子の気を引きたいために言葉の暴力使ってしまった私が悪いんだよ! 悪かったな!
「私だって反省はしてるし、仲直りしたいと思ってる」
「そもそも会って話を聞いてくださるかの問題はありますからね」
「ジュゴンちゃんだけ絶対会わないもんね、アズール」
「……とりあえず喧嘩を売ってると解釈していいのかな? ジェイド、フロイド」
ひくりと頬の筋肉が痙攣しているのが自分でもわかる。
この性悪ウツボを相手して勝ったり勝てなかったりするけど、今回は勝ちそうな気がするよ私。
「そういう喧嘩っ早い所も直されたらどうです? 顔立ちだけは綺麗なのですから貴女」
「よしきた、戦争だ」
「喧嘩? いいよー絞めてあげるー」
のちに店を出禁になった、ふざけんな。
■FGO的ネタそのサン(ガチャ報告/会話文)→←■オキュロフィリア(twst/サバナクロー寮)
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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時:2020年7月12日 2時