好きって言わせたい。 【青】

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そんな時に出逢ったのが彼。



メイクアップアーティストを育て派遣する会社に就職して、私の教育係になった明さん。



１０歳年上で最初は見た目がチャラいおじさんとか思って、私の苦手なタイプって毛嫌いしてたけど、


仕事をする姿はやっぱりプロ。


真面目に丁寧に仕事を教えてもらううちに好感がもてるようになった。


憧れの先輩。


最初は本当にそう思ってた。








『 Aは凄いよ。その若さでこんなに顧客持つまで成長した。いっぱい努力した結果だね』




そう言って見た目じゃなく、中身を努力を褒めてくれたのは彼が初めてだった。



そのうちプライベートでも仲良くなって、色々相談することも多くなった。



姉のこと、姉へのコンプレックス。







『 お姉さんなんて関係ないよ。AにはAにしかない良いものがある』

『 例えば？』

『 例えば、か…』





彼は少し考えたあとクスっと笑った。







『 そのちょっとひねくれた性格、生意気さが可愛いなって思うけどね』

『 あ、てこれは違う？ 仕事に対してのことが聞きたい感じ？』

『 ……いえ、もういいです』






その時、きっと私は恋に落ちた。




恋をしてはいけない人に、恋をしてしまった。









だって彼には、奥さんも子供も居るんだから。









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