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カートを押す私の後ろをズボンのポッケに手を突っ込んでダラダラと着いてくる。
帽子とサングラス付けてるもんだから、なんか怪しさ抜群だ。
「料理できるの?」
「まあ、普通には」
「じゃあさ、カレー食いたい気分」
「面倒くさ〜」
「え、あれめっちゃ楽って言うじゃん」
「作るのは確かに簡単だけど、カレーはね後片付けが面倒」
「へえ」
さっくんの話しによれば彼は料理はしないらしいから、料理をしないなら片付けとも無縁なんだろうな。
カレーがついた鍋を洗うのあまり好きじゃない。
だけど、
「食べたいの?」
「うん」
「レトルトは?」
「………」
「分かった。作りますよ」
「よっしゃ!」
無言の抵抗を受け、渋々作ることを約束したら小さくガッツポーズをかますアイドル。
なんか最近調子が狂う。
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出会った頃は大人しいというか、いつも眠たそう怠そうなイメージを持っていたけど、意外とお節介なとこがあったり、
「カレー、久しぶりだわ」
福神漬け買おーっと。て、急にテンション上げてくるとことかまるで子供のようだし。
レジに並んで会計しようとしたら普通に払ってくれて、でも袋詰めはやらなくて、荷物は持ってくれる。
「家、どっち?」
車に乗って道案内をして本当に近所だったからか、「マジちか」だって。
だから言ったじゃない。
近いから家に来るかって。
「……お邪魔します」
「適当に座っててください」
この家は最近引っ越してきた。
姉の騒動があってこれを機に一人暮らしをしようと思って。
あ、とそこで思い出して慌ててリビングに向かう。
「引っ越して間がないから、まだちょっと散らかってて」
「これがちょっと?」
渡辺さんはドア近くで仁王立ちしたまま、散らかった部屋を見て呆れた溜息を吐く。
「お前、片付け苦手だっけ?」
「…普通、かな? いやだから、時間なくて」
ジャニーズさんが扱き使うから、お陰様で引っ張りだこな私に休みは少ないのよ。
「しゃあない」
何やらスイッチが入ったのか、いきなり腕捲りをして床に散らばった物を集めだした。
え、待って!
「なにすんの?」
「カレー作ってくれるお礼に、その間部屋片付ける」
「ええ!?」
まじか。
そう言えばこの人綺麗好きなんだっけ?
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☆ゆきんこ☆(プロフ) - リナさん» そういう事になりますね!家族で集まったりしたら色々と大変そうですね(笑)彼はハッキリは言わなさそうと思って、ああいう感じになりました( ^_^ ;) (2020年9月10日 10時) (レス) id: 2caaa8d9b9 (このIDを非表示/違反報告)
リナ(プロフ) - サクとしょっぴが兄弟になるんですね!!!素敵ー!!プロポーズの仕方がらしいって言うかなんて言うか。きっと彼はバチバチに決めてやらないタイプっぽいですもんねー。 (2020年9月9日 18時) (レス) id: 7aedc618bf (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - あべさく担さん» ありがとうございます!ついにと言うか、やっと完結できました(>_<)長い間お付き合い下さりありがとうございました(^^) (2020年9月3日 13時) (レス) id: 2caaa8d9b9 (このIDを非表示/違反報告)
あべさく担 - ついに完結!!!!!!おめでとうございます。先輩シリーズ、大好きでした。お疲れ様でした!(^^) (2020年9月2日 17時) (レス) id: 7ba432eed6 (このIDを非表示/違反報告)
☆ゆきんこ☆(プロフ) - みるきーさん» 感想ありがとうございます!2人とも幸せにすることができたのも良かったですし、私的に最後の主役4人で語るシーンを書けて満足しております(^^)2人の挙式書く機会がありそうなら書かせてもらいますね!本当にありがとうございました(^^) (2020年8月31日 7時) (レス) id: 7487347ac7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆきんこ | 作成日時:2020年6月2日 0時