好きって言わせたい。 【青】

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忙しくなって有難い反面、普段から眠い俺は更に眠い。


もうね何時どこでも寝れよ。

もはや特技だよ。







｢……んがっ｣



どうやらまた寝ていたらしくて、肘が崩れたことで起きた。


あー眠い。

時計を見れば出番までまだあるし、かといってまた寝るのも。





キョロキョロと周りを見ると、阿部はラウの宿題を見てやってるようだし、照は相変わらず筋トレしてる。


佐久間は……ありゃ由菜ちゃんと電話してんな、顔のデレ具合が非常によくない。


涼太と康二とめめは、何やら３人で戯れてるし。



ふっかは顔デカいし。





｢……どこ居んだろ、｣






なんとなく捜しに廊下を彷徨いてみたら、自販機前のソファーでぼーと天井を見上げてる子が居て、何のも飲もうかなって言いながら自販機前に立った俺。


なにやってんだか。





｢…おつかれさまです｣

｢あ、おつかれ。 なにお前も休憩？｣

｢もうすぐしたら皆さんのメイク始めますよ｣

｢なんかイラついてね？｣

｢…辞めてるので｣

｢なにを？｣





はあ、と盛大なため息をついて俺を見上げられて、


俺は缶の蓋を開けて飲んで誤魔化す。








｢禁煙始めました｣

｢冷やし中華始めましたみたいに言うなよ｣

｢まだ冬ですけど｣

｢冗談だから、笑えよ｣

｢おかしくないのに笑えない｣

｢可愛くねぇなー｣






あの階段の日以来、俺たちは少しずつ変わってる？


少なくとも俺はだいぶん素を見せている方だ。


こうして言い合えるくらいまでには発展したんだから。


て、俺は何を発展させたいんだろう？





｢気をつけたんですけどね、顔に出てるから｣

｢なにが？｣





隣に腰掛けると、Aちゃんは申し訳なさげに言った。


それって俺のこと？





｢タバコ吸ったあとは手を洗ってたけど、染み付いてんのかな？ メイクする度、渡辺さんちょっと顔に力入るから、私がメイクの邪魔しちゃってると思って｣

｢それで禁煙？｣

｢嫌いなんでしょ？ それに結構吸う方は居心地悪くなってきたし｣

｢あ、喫煙場所ねぇもんな｣

｢なので良いタイミングでした。どうもありがとう｣

｢ぶは！ なんだそれ、さっきの撤回してやるわ。案外可愛いとこあるね｣

｢……………｣





お、照れてる照れてる。




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