同居人は有名人 5 ≪ﾆﾉﾐﾔｶｽﾞﾅﾘ≫ (ページ6)

今日:14 hit、昨日:10 hit、合計:983,789 hit

回想1 ページ6

こぼれた涙をぬぐって。

すっと、息をすった。

和の目をまっすぐに見て、口を開く。

『先輩とは、五年ぶりの再会だったの。
地元の先輩で。
出会いは、中学校だった。』

ーーーーーーーーーーーーー
回想…
.

.

はるか『ねー、本当にバスケ部入らないの？』

『球技苦手だから。』

はるか『運動神経いいのにね。あ、じゃあ陸上部は？それなら私も入るし！見学行こうよ！』

はるかに連れられて、グラウンドの隅で活動する陸上部を見に行く事にした。

走る部員が何人かいて。
その中でひとり、私は目を奪われた。

綺麗に走る人。

それが第一印象。

入部して、話しをした。

人見知りな人。

これが次の印象だった。

.

.

もっと、この人を知りたいと思った。

綺麗な走り方。

人見知り。

だけど、仲良くなった人に見せる可愛い笑顔。

ある日気づく、

たった一人のひとを見つめる瞳。

ずっと見てたから、先輩が誰を見てるかなんて
すぐにわかった。

先輩には、好きな人がいる。

胸がモヤモヤする。

出会って一ヶ月でわかった、私の初恋の始まり。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…

『恋したときから、叶わないってわかってたの。
先輩には好きな人がいたから。
それでも、どんどん惹かれていった。』

少しづつ、仲良くなって。

たまに見せる笑顔に胸が高鳴った。

独特のゆっくりした空気感。

綺麗に走る姿。

全てが私の目を奪った。