同居人は有名人 5 ≪ﾆﾉﾐﾔｶｽﾞﾅﾘ≫ (ページ39)

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中山さんside ページ39

結婚の報告をすると待ち合わせた日。

駅で橘Aを見た。
走る電車の中から見えた。

あ。と俺が言ったから、明日香も気がついて。

そしたら、びっくりした顔をした。

その時だ。

橘Aが、昔から聞いてたあのAだってしったのは。

その時は、それで終わってたんだ。

橘Aは一回だけ、おかしなとこがあったけど。でも、すぐに元通り。

明日香も普通に。
結婚式のことを考えてて。

でも何日か前、急に橘Aに会いたいと言って来た。
なんで？って聞いたら、もう終わりにしなきゃと言った。

『泣いてたんだって。公園でひとりで。ネックレス握りしめて…。いつまでたっても帰って来なくて、探しに行ったら。』

A『…え？』

『あのネックレス高校の時もらったやつでしょ？昔、あれ買ってるとこみたんだ。俺。で、明日香に言っちゃって。でも、ネックレスなんてもらわなかったって、明日香。』

言ったあと後悔した。
悲しそうな顔をさせた。

『まだ君がそれをもってた。それだけで、君の気持ちはまだ彼にあると明日香は思った。彼も、まだ公園に行ってる。きっと、君に会いに。』

A『私、彼氏がいます。大切な人が。』

急に、俺を見て言って来た。

『もちろん、それも言ったけどね。でも、昔もいたでしょ？それでも、彼に会ってたって聞いたけど。』

A『昔とは…ちがいます…』

目を伏せて、言い返すけど。
さっきと声のトーンがちがうよ。

俺がみても、ふっきれてないのはわかる。

『一応、これだけは言わせて。昔は明日香が悪いことをした。すまない。でも、今は明日香は本気だから。だから、彼の泣き顔はみたくないって言って決めたことだから。一回だけでもあってきてほしい。』

深く頭を下げた。

A『中山さん、明日香さんが…』

小さな声が聞こえた。
その先はわかってるよ。でも、俺ね明日香に幸せになってほしいから。

『妹みたいなもんだよ。かわいい妹。』