同居人は有名人 5 ≪ﾆﾉﾐﾔｶｽﾞﾅﾘ≫ (ページ38)

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勇気なんてないページ38

結局私はなにも言えなかった。

それからしばらく夜景を見て。

肩から和の手は離れたけど。

後ろに和の気配はするから。

ただ、キラキラの光を眺めた。

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和が、行こうって私に声をかけてきたから
車に乗った。

車の中で、会話はなくて。

マンションについてから、和はすぐに寝室に入った。

閉じられた扉が…悲しい。

私も、自分の部屋のベッドに入った。

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眠れない夜を過ごして。

でも、先輩に会う勇気がなくて…

公園には行けなくて…

私は、普通に会社に行った。

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お昼休み。

一人になりたくて、屋上にあがった。

夏だし、暑いから誰もいなくて。

日陰に座って、ぼーっと遠くを見ていたら。

中『よ。』

って、中山さんが来た。

中『はい。食べてないんでしょ？』

パンや、おにぎりを私に渡す。

『ありがとうございます。』

中『…食べれないなら、それだけでも飲んでね』

って飲むヨーグルトをすすめる。

『好きですね。』

前ももらったなって思ったら笑えた。

中『元気そうでよかった。』

心配するみたいな顔で。

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しばらくそうして。二人でご飯を食べた。

中『明日香ね、彼が大好きなんだよ。』

中山さんが、遠くをみながら言った。

中『最初は違ったかもしれないけど、今は本気で好きなんだよ。…君に会いたいっていい出したのね、理由があるんだ。』

中山さんは、私を見て。
自分の首元を指差した。

中『ネックレス。返したでしょ？』

あーーー…。

ねこの…

ちいさく頷いた。