同居人は有名人 5 ≪ﾆﾉﾐﾔｶｽﾞﾅﾘ≫ (ページ28)

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ついに、ご対面ページ28

仕事が終わって。

中山さんに連れられて会社を出た。
目的のお店まで、少し歩くらしい。

横を歩きながら。
これから会う、あの人に何を言われるのか考える

中『緊張してる？』

『…中山さんは、何を知ってるんですか？』

中『ん？何って？』

また、余裕な笑顔でごまかして。

『質問を変えます。あの人とはどう言う関係ですか？』

中『あ～。明日香は俺のいとこ。』

明日香さんって言うんだ。
優しそうなあの人にぴったりな名前。

『そうなんですか。』

中『昔からあいつのおにーちゃんみたいな感じなの。だからお願いは断れなくてね。無理やりごめんね？』

『いえ。』

中『君のことは、結構前から知ってたよ。あいつの話しよく聞いてたから。ま、でも昔から聞いてたAちゃんが橘さんだとは思わなかったけど。』

昔から？

中山さんの顔を見る。
いつもの余裕な顔じゃなくて、少し困った笑顔で。

中『ごめん、明日香から聞いてやってもらえる？』

って。

しばらく歩いて、店についた。

半個室みたいな席に案内された。

そこにはもう、明日香さんは居て。

中山さんが、お待たせって声をかけたら立ち上がって私をみた。

どくん。

あの、優しそうな目が私を捉える。

明日香さんは、そっと私に頭を下げた。