同居人は有名人 5 ≪ﾆﾉﾐﾔｶｽﾞﾅﾘ≫ (ページ27)

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逃げれない。ページ27

結局、あの人のことは和には言えないまま。

朝方に和は仕事に向かって、私はマンションに戻った。

極力、外に出ずに。
あの人がいたことはなかったことにしようとした。

でも、やっぱりなかったことにはできないみたいで。

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月曜日。

中『ねぇ、今日時間ない？話したいことがあるんだけど。』

仕事中、中山さんに声をかけられた。

『は？なんですか？』

中山さんと話すのは久しぶりだったのでとまどってしまう。
先輩の彼女といるのをみて以来、避けていたから。

中『うん。だから、話しがあるから夜飯でもいかない？』

中山さんをじっと見て。

『だから、話しってなんですか？』

平常心。
平常心をたもって。

中『ここでしたくない話だから。時間ある？』

『ありません。』

中『じゃあ、他の日でいいや。今週か、来週。どっちがいい？』

しつこく粘る中山さん。
こんなこと初めてなんですけど。

めんどくさいな。

『わざわざ、一緒にご飯食べながらしなきゃならない話しってなんですか？』

うーん、と考えて。
中山さんが少し私に近づいた。

中『こないだ駅であったよね？2～3週間くらい前？』

ビクッ。

中山さんの顔を見る。

いつもの余裕そうな表情。

中『あの時、一緒にいた人がね。君に会いたいって言ってんだよね。』

一緒にいた人って…あの人。

やっぱりあの時、私を待ってたんだ？

中『悪い人じゃないからさ！！』

中山さんは、なにを知っているの？

中山さんの顔を見る。

いつもの余裕な顔。

『わかりました。今日でいいです。』

もう、逃げられそうにない。