同居人は有名人 5 ≪ﾆﾉﾐﾔｶｽﾞﾅﾘ≫ (ページ13)

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回想6 ページ13

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回想

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先輩と、身体を重ねた。

はじめて感じる先輩の温度に、胸が高鳴った。

私にとっては、はじめての行為だったから

ただ、夢中になった。

先輩は、優しく抱いてくれた。

割れ物に触るみたいに、優しく、優しく。

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私の頬に水滴がおちる。

先輩を見た。

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苦しそうな顔で

泣いていた。

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きっと、この涙は…

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胸が痛む。

私が、先輩を苦しめてる…。

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私が、この人に愛されることは一生ないんだと、思った。

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次の日から、私は公園に行けなくなった。

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カバンに入ったチョコとカードは渡せずに。

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首にあったねこのネックレスは、ポケットへと居場所を変えた。

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それから、しばらくして。

私を好きだといってくれる人があらわれた。

前に進みたくて、付き合った。

とても大切にしてくれる、いい人だった。

順調にお付き合いをして、このままこの人と続いていくんだろいと思っていた時に。

部の集まりがあった。

あの日から一年近くたって、先輩は大学に進学していたから、

来ないと思ってた。

でも、先輩のことを聞けると思ったから行った。

まだ、ポケットには

ねこのネックレスがはいったまま。

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