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大きな傘とはいえ二人で入るには少し小さい
歩く度に肩がぶつかる
車が通る度にばしゃばしゃと水がはねる
僕とAちゃんはポツリポツリと会話を続けていく
「突然降るなんてね」
せらみかる「俺、あの先生に呼ばれてたんだよ」
「あはは、そうだったんだ？」
せらみかる「普通に帰れたらよかったのに」
「そりゃ災難だね」
そう、災難だ
僕がふと立ち止まると
Aちゃんは僕の持つ傘に顔からぶつかり
「いてて、どうしたの？」
と僕の横に立ち止まった
せらみかる「Aちゃん」
「何？」とでも言うように彼女は首をかしげた
せらみかる「僕、Aちゃんが好きだよ」
雨は容赦なく降り続けている
僕の後ろを車が通り水が跳ねている
彼女は、何も言わない
ただ、僕の言葉に怯えたような
そんな顔をしていた
せらみかる「あはは、なんてね？
冗談だって
そんな顔しないで？」
「…え、あ、あぁ、そうだよね？
ごめんごめん！ここ笑うところだった？」
彼女は普段より大きな声をあげて
ぎこちない笑顔を浮かべる
僕は正面を向いて、また歩きだした
彼女の顔を見るとことが出来なかった
僕達の間に会話はなく
雨音だけが響いている
「A？」
前から聞こえてきたのは
よく聞き覚えのある声だった
「…フジ？」
フジ「よかった合ってた！」
フジくんは傘を差しながら
傘の下から僕達の顔を覗いた
フジ「みかるくんじゃん、どうして？」
「傘、傘忘れちゃってさ！みかるも！」
せらみかる「そう、先生から借りたんだ」
フジ「あぁ、なるほどね」
フジくんは部活の人と一緒にいるようだったけどその人も僕たちに構っているうちに
先に行ってしまったらしい
「こっち入りな？」と言われ
Aちゃんは走ってフジくんの傘の中へ入る
フジ「ありがとうみかるくん
こっからは俺が送るから」
「ありがとうみかる、
あ、タオルは洗って返すね」
せらみかる「うん、おっけー」
僕はなるべく『普通に』反応をする
せらみかる「あ、じゃあ僕はこっちだから」
フジ「うん、じゃあね」
「ばいばーい」
道を分かれた二人は
フジくんの小さな折り畳み傘の中で
押し合いながらも楽しそうに話をしている
僕の持つその傘は
僕一人の体にはあまりに大きすぎた
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美寿(プロフ) - 違和感があるのは多分flknじゃなくてfrknだからかと、、 (2021年3月5日 19時) (
レス) id: 1c7691558e (このIDを非表示/違反報告)
渡下(プロフ) - ゆーれんかさん» コメント&リクエストありがとうございます〜嬉しいです！towacoさん頑張って書かせて頂きます！！ (2020年6月3日 11時) (レス) id: 497e2bb074 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーれんか(プロフ) - いつも楽しく読ませて頂いてます。もしよろしければリクエストで泣き虫な彼女とtowacoさんのお話お願いします。時間がある時で全然大丈夫です！ (2020年6月2日 12時) (レス) id: a0de8d250a (このIDを非表示/違反報告)
b(プロフ) - 渡下さん» リクエスト叶えて下さりありがとうございます(≧∇≦)2人の雰囲気、とっても良かったです。これからも頑張っ下さい！ (2020年5月27日 20時) (レス) id: aa27f5f7cf (このIDを非表示/違反報告)
渡下(プロフ) - bさん» コメントありがとうございます！気に入って頂けて嬉しいです！煙草の課長ですね、精一杯頑張らせていただきます〜！ (2020年5月25日 19時) (レス) id: c1d06e18ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：渡下 | 作成日時：2020年5月3日 22時
