意地悪してくる勝利の彼女の私5

Sadist203 ページ32

貴方SIDE




頭が真っ白だ



梓音ちゃんに嫉妬することはあった


でも勝利は私のこと好きだって言ってくれた


でも、本人の口から言われから…



「勝ち目ないじゃん…」



部屋で1人うずくまって考える



帰ったあと、私は走って自分の部屋に上がりずっとこの体勢のままだ




「Aー夕飯できたわよー」



「いらない…」


お母さんの声がするけど今は食べ物が喉に通る状態ではない



「どこで間違えちゃったんだろう…」



鏡を見て呟く


かわいいわけでも、性格がいいわけでもない


梓音ちゃんに勝てることなんてないじゃん…




ヴー



突然携帯が震えた



もしかして勝利かも…！



そんな淡い期待は裏切られる




「菊池…先輩？」


LINEの送り主は菊池先輩だった



健人先輩みたいにガンガンは話してこないから意外だ



人と話したいわけではないけど、先輩だから無視はできない



渋々、LINEを開くと意外な内容が書いてある



『A。元気にしてるか？』


『帰りに泣いてるの見ちゃったから....心配』


『迷惑だったらごめんな』



その言葉一つ一つからは先輩の優しさがにじみ出ている


「…うっ…」


止まりかけていた涙がまた溢れ出す



でも迷惑かけちゃいけないなと思って私は返信をする



『全然平気です！』

『心配してくださってありがとうございます』



この胸の痛さはきっと勝利への愛の強さ

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