渡辺と雪乃は共依存？ (ページ19)

今日:11 hit、昨日:14 hit、合計:231,655 hit

て。ページ19

渡辺side

『私は翔太が居ないと生きていけない。』

その言葉で俺はAと出会った時のことを思い出した。

ー回想ー
今日のレッスンは思うように上手くいかなかった。振付師さんにも怒られてかなり落ち込んでいた。

だから、いつもなら真っ直ぐ家に帰るのにこの日だけは途中の公園によって気晴らしをしていた。

気持ちも落ち着いてそろそろ帰ろうかなって思ったとき、一人で歩いている女の子をを見かけた。

渡辺「ねぇ、大丈夫？」
自分から知らない人に声を掛けるなんて俺らしくない。それでもほっとけなかったのは、きっとその子の顔から目が離せなかったから。

どこかに感情を置いてきたような、でもどこか苦しそうで悲しそうで、一瞬でも目を離したら今にも消えてなくなってしまうんじゃないかってほど儚くて、不謹慎にもその姿がこの世のものじゃないようで綺麗だと思ってしまった。

俺の目を見つめて何も答えないその子は、数十秒経って小さな震えた声で「、、、、、、たすけて」とそう言った。

俺も気が動転していたのか何故か親ではなくジャニーさんに電話を掛けていた。

うまく状況を説明できなかったにも関わらず、ジャニーさんはすぐに俺たちのいる公園に迎えに来てくれた。

その子は事務所に着くまでの間一言も話さず、無意識なのか俺の服を強く掴んで離さなかった。