マフラー《Shoma.Uno》 (ページ8)

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昌磨side

「ママ、今日練習行きたくない」

……だって、Aちゃんがいるから。

「何言ってるの！早く準備して」

「…はい」

こんな気まずい空気のまま、Aちゃんとなんか会いたくないよ…

そんな思いで、僕は練習へと向かった。

「はやくっ！はやく救急車呼んで！」

「やだ、めっちゃ血出てる！！」

なんだかリンクが騒がしい。

そっと覗いてみると、リングサイドの周りにたくさん人が集まっていた。

素早く着替えて、僕もそこを見に行く。

「ねっ、何かあったの？」

人が多すぎて見えなかった僕は、そこにいた子に尋ねた。

「Aちゃんが倒れて血流してるんだよ！意識もないんだって！」

「……A…ちゃん…Aちゃん！！！」

僕はみんなを押しのけて、倒れているAちゃんが見える場所まで行った。

「……！！」

そこにいたAちゃんは、頭から血を流し、冷たい氷のせいで顔も青白くなっていた。

だんだんと救急車のサイレンの音が近づいてくる。

僕たちは邪魔にならないように、さっとその場をのかないといけなくなった。

「…うっ、Aちゃんっ…」

そのまま救急車に乗せられたAちゃんは、満知子先生と一緒に病院へと向かった。