qkbl (ページ21)

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そして本日は月が大きく見える日、スーパームーンである。満月コレクター(？)としては何としてもあやかりたい所である。

そしてこれまたビックイベントで、
なんと山本さんがお泊まりするのだ。

1月2日ではあるが帰省を早めにしていたので1日には帰ってきた。そして同じく早めに帰省した山本さんと残りの三が日を過ごすことになったのだ。

『お邪魔しま～す......わぁっ！こうちゃんの部屋意外と綺麗w』
「意外って何ですか？！僕が出来ないのはリズムゲームだけですよ！」
『あとモノマネね』
「あーーっ！それもあった......」

本当は家に帰ってすぐに片付けをした。

料理だってこの日のために練習した。

お花の冠や手作りのお菓子、

前世の彼が俺のためにしてくれたように。

『ねぇこうちゃん、知ってる？今日はスーパームーンなんだって！』
「へっ？あ、あぁ！そうらしいですね！」
『ベランダで一緒に見よ！』

まさか。

こんなにも簡単に夢が叶うなんて。

彼女が見たらなんて言うだろう、

まぁ彼女は彼なのだが。

『お願い事とかしたら叶うのかな』
「月の力がいつもより強いんで叶いやすいらしいですよ」
『そっか！じゃあお願いごとしてみよー』
「じゃあ俺も」

あなたが記憶を取り戻さなくても

せめてこの先も一緒にいれますように

高望みなんてしないから

今世くらい幸せなまま終わりたい

「もう寒いから中入りましょ！」
『そうだね、なんか眠くなってきたし』

山本さんが眠りに落ちてからそっとベッドを降りてベランダに出る。
そしていつものように音楽を流す

どこにいるかなんて分かってるし、

語りかければ返事をくれる。

でもやっぱり寂しくて、

あわよくば記憶が戻ってくれないか、

そんな祈りを月に捧げる。

『こうちゃん眠れないの？』
「山本さん？！」
『僕もなんか目が覚めちゃった、』
『その曲なに？』
「......Talking To The Moonっていう曲です。」
『さっきちょっと聞こえたよ、良い曲だね。こうちゃんは好きな人がいるの？』
「いますよ、ずっと好きな人。」
「想い続けてるのに届かないんです。でも諦めきれなくって、だから月に願ってるんです。いつか会えますようにって。」
「会いはしたんですけど、」
「恋人にはなれないんです。」

『そっか』

「、、、話はやめにして、もう寝ましょ？」

「山本さん？」

『なんか頭痛い......ゔっ...！』

「山本さん？！」

蹲った山本さんはそのまま気を失った