qkbl (ページ11)

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過保護 fkiz ページ11

side.f

2か月前、多忙のあまり伊沢が倒れた。
テレビ局から帰る途中タクシーを拾おうと大通りへ出る道中で倒れ、幸いにも通行人が救急車を呼んでくれたおかげで大事には至らなかった。

伊沢の『大丈夫』は信用出来ないと分かっていたが自身の忙しさもあり、そこまで問い詰めなかった。伊沢も伊沢だが、恋人に無理をさせていた俺の責任でもあると考えた俺は、ある事をしようと考えた。

そして今に至る。

「番号は......あった!!」

掲示板に自分の受験番号を見つけ、一通りの手続きを済ませた俺はその足である場所へ向かった。

side.i

「収録が終わったからあとは......オフィスに行くだけか。」
今からオフィスに向かう旨の連絡をグループに送った俺は局の外に出た。
2ヶ月前に俺が倒れてから、1つの仕事が終わる度に連絡をすると福良さんと約束をした。全て俺の責任だと分かっているが恋人の過保護具合には呆れる、まぁ嬉しいのだが。

外に出るとLINEの返信が来て、
『正面玄関を出たとこで待ってて』
とあった。
近くにいるのかな？と思いつつ一緒に帰れることに密かな喜びを感じていたところ、1台の車が目の前に止まった。怪しげな車に身構えていると、窓から顔を出したのは意外な人物だった。

『お待たせ伊沢。助手席、乗って？』
「な、んで、福良さん、が、」
『いいからいいから、早く！』

何が何だか分からない俺に福良さんは、

『2ヶ月前にさ、伊沢倒れたでしょ？それから俺に出来ることないかなって考えた時に俺が送り迎えすればいいじゃん！って思ったの。』
「そのために免許取ったの？」
『自分でも過保護だなとは思ってるよ。でも伊沢のためだったら何でもしたいって思うんだよ、だから伊沢も素直に甘えて？』

「はぁ、、、
俺の恋人は過保護でかっこいい男だよ。

福良さん、愛してる。」

『俺も、伊沢。』

普段はママなんて呼ばれているが、俺限定でこんなにも過保護になるんだと思うと堪らなく愛おしい。

家に帰ったら運転の疲れを存分に癒してあげようじゃないか。そして感謝とともに愛してるのキスを。