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我儘 fkiz ページ2

少し裏匂わせ、モブ表現あり
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side.i

自分は頓着のない性格だと思っていた。
記念日も覚えないし、昔彼女に浮気された時も特に何も思わなかった。

いつからだろう、こんなにも欲深い我儘な人間になったのは。
初めて会った時からお互い惹かれあって、すぐにこの人が欲しいと思った。
そこから恋人関係になるのに時間は掛からなかった。同棲もして体の関係も持って指輪も付けて、恋人としての行為はほとんどした。

それでも足りない。
本当は結婚して、子どもを育てて幸せな家庭を築きたい。それが出来ないことが酷くもどかしくて、悔しい。

「福良さんはさぁ、」
「結婚して子ども欲しいとか思わないの？」
『拓司との子どもだったら欲しいかな笑』
「俺じゃ無理だよw」
『そうだね、てか急にどうしたの？』
「いや、別になんでもn」
『不安があるなら話して』

俺は思っていたことを話した。
福良さんは俺の話をじっと聞いていた。彼の視線に射貫かれると想いが溢れて止まらなかった。

「ごめんっ、こんなこと言って、っｯ」
『こんなことじゃない、拓司だけに不安を背負わせてしまってたのが悔しいよ、俺の方がごめん。』
「.........たい」
『え？』
「福良さんとシたい」

今すぐ、福良さんのものだという実感が欲しかった。こんな我儘ばかりで嫌がられるかもしれない。それでも我慢できなかった。

『、っ！！......今日はうんと甘くしようか』
「こんな我儘でごめんね、」
『もう何も考えないで、俺に委ねて。』

その夜、福良さんから与えられた『愛してる』も印も、結局はひと時の満足にしか過ぎなかった。