壊れるくらい抱きしめて (ページ21)

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神宮寺くん Aran ページ21

神『あー。お疲れ!』

入り口の前で立ち尽くす俺を見つけるなり

顔を覗かせ声をかけてきた神宮寺。

神『何か最近やけに疲れてません?

もしかして

この前部屋に上げたって言ってた女の子と

何かあった?』

『その言い方は語弊があるから辞めろ。

俺はさ別に狙ってるとかそう言うんじゃなくて

何ていうんだろ

自分でも良く分からないんだけど

彼女、歳上なのに妙にほっておけないんだよね。

あれから一ヶ月弱経つけどさ

益々荒れてんだよ。

あんな事のためにさ

こういう仕事するのって

余計なお節介かもしれないけど

彼女にとって悪いことでしか

無い気がするんだよな。』

神『顕嵐がそこまで他人を気にかけるなんて

本当珍しいよね。

てか何

その子もこの業界の子なの?』

『そうだよ。

廉たちが前話してるの聞いた。

本人もそう言ってたし。

どこの店かは分からないけど

きっとこの近所だと思う。

まぁ俺色々言ってるけど

彼女のこと

名前と年齢と職業くらいしか知らないからな。

そんな奴が首突っ込んだところで

余計なお世話でしか無いよな。』

神『へーその子てか何ちゃんだっけ。

幾つなの?』

『Aさん。

俺らの二個上。

早生まれだからまだ21らしいけど。』

神『ん?

もしかしてだけどさ

その子何だかんだ言って

顕嵐のタイプだったりしない?』

『またその話かよ。

本当にそう言うんじゃないって。

まぁ確かに見た目は俺の好みだけどさ。

まだどんな子かも詳しくは知らないし。』

すると突然何か確信を持ったように

ニヤリと笑みを浮かべながら

自分の携帯の画面を見せてきた。

神『まさかと思うけどさ

この子じゃないよね?』

思わず目を見開いた。

神宮寺のスマホに映し出されたのは

紛れもなく

彼女の写真だったから。

『何でこれ。

どう言うこと?』

神『いやー。

まさかとは思ったけどね。

名前と年齢聞いてさ

うちの店の女の子で

全く同じ子いるからさ。

まぁ本名とか普通は知らないんだけど

結構Aちゃんとは話したりするんだよね。

個人情報だからあんまり言えないけど

これだけは伝えとくわ。

生半可な気持ちでは

彼女の心は動かせないし

近づかない方がいいと思うよ。』