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｢あじ、颯太。俺好きな人出来た、｣
｢ふうん、…ん？え？｣
｢え！顔みたい！｣
二限と三限の間の休み時間に幼馴染がいる1階上の2年の教室まで向かった。
廊下側の窓際に呼び寄せてそう伝えると、あじは目をキョトンとさせて 颯太は顔！美人！？とまくしたてる。
｢えー…湧に好きな人？いつぶり、それ｣
｢分かんね。写真持ってないから顔は見せれないんだけど｣
｢見に行こうかな〜…湧と同い歳だよね、何組？｣
｢まあ待て、焦るな。それより相談に乗ってほしいんだけど｣
颯太は恋愛経験皆無だけど、あじはそれなりにあるはず！
時間がもうないから手短に平塚の存在を伝えると 2人揃って｢それ無理じゃない？｣と顔を顰めた。
｢俺らもそうだけど、幼馴染って一緒にいる時間長いじゃん｣
｢うん｣
｢その平塚？って先輩、もう手出しててもおかしくないよね｣
｢…ハ？｣
｢距離が近い男女は何かあるって言うし｣
｢…いや、いやいやいや｣
確かに物理的距離は近めだけど。
二人の間に何かあるなんて、俺は信じないぞ。
｢湧がその先輩と幼馴染だったらどうする？手出すでしょ？｣
｢あたりめぇだろ！そういうのは先手打つに限るんだよ｣
｢うん、それ。｣
｢湧(笑)｣
｢はっ…、｣
まさか、そんな。
ズーンと落ち込む俺を二人は笑い飛ばす。ちくしょう、他人事だと思いやがって！
｢まあ俺に任せて！｣
｢へ？｣
｢お昼休み、俺が二人の様子こっそり見てきてあげる。湧が行くより自然でしょ？｣
｢あじ…！お前は神サマか…！｣
ほんとありがたい、これで打倒平塚、目指せAちゃんと両想い作戦を立てれ…
｢湧が現実見て諦めやすいようにね！｣
颯太、お前だけは絶対に許さない！
教室に戻ってからもソワソワして、いつもの事ながら授業になんて身が入らなかった。
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作者名：そり
| 作成日時：2020年8月4日 19時
