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｢え、なに、お前らどういう関係？｣
｢幼馴染だけど、そっちこそなんで家の近くいるの。湧の最寄りもうちょい先じゃん｣
｢いや、俺の打ったボールがAちゃんに当たって…｣
俺に見せつけるように 後ろからAちゃんの肩に手を置いてもたれる平塚。
事情を説明すると、ふうん、と俺からAちゃんの鞄を奪い取った。いつもはぽやぽやしてる癖に、彼女の事となると敵対心バリバリじゃん。
平塚らしくない、毛を逆立てた猫みたい。
｢A帰ろ、俺が手当てしてあげる｣
『しょうまが？…不安だなあ、(笑)』
｢だから、このまま俺ん家ね！｣
平塚は ちら、と俺を一瞥してAちゃんを連れて行こうとする。
…お前が幼馴染って立場を利用するんなら、俺だって負けてらんないよね？
マウントとられんの、めちゃくちゃ悔しいんだわ！
｢ストップ！止まれ！｣
｢なに湧、今から俺ん家で菓子パするんだけど｣
いや、手当てどこいったんだよ、絶対それが一番の目的だろ。
俺は知り合ったばっかだし当然Aちゃんの事なんて全然知らない。知ってるのはクラスとフルネームとすぐ照れちゃう可愛い所くらい。
でもでも！幼馴染という最強のカードには勝てないものの、俺には強い武器がある。お詫びという名のね。
｢…今日のお詫びになんか奢るから、行きたい所決めておいて、｣
『え、』
｢、俺も行く！｣
｢平塚はお留守番です〜｣
｢A行く気？湧絶対下心しかないよ？｣
｢お前にだけは言われたくねえから！｣
『…ええ、』
両側から俺ら二人に挟まれたAちゃんは、｢考えときます…｣とか細い声で言った。
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作者名：そり
| 作成日時：2020年8月4日 19時
