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平塚の顔は歪んでいて、
大きな目をきゅっと細める。
｢…グラウンドを見るAの目、めっちゃ可愛かった。あ、湧の事ほんとに好きなんだなって、俺、あんな目初めて見たもん、｣
｢…Aちゃんの事諦めんの？｣
｢ううん、諦めない、｣
ていうか、諦められないよ。A以上に好きになれる子なんていないもん。
時々嗚咽を漏らしながら、そう続けた。
｢諦めない、けど！俺はAの幸せがいちばん大切だから｣
｢…正直、平塚がそんな事言うと思わなかった、｣
｢本当は言いたくないよ、こんな事。でも仕方ないじゃんか｣
俺が思うよりも、平塚は大人で。
必死に気持ちを整理してる途中なんだ。
｢…Aの事、幸せにしてやって。｣
｢…おう、任せろ｣
平塚の代わりとは言わないけれど。
別れたいなんて微塵も思わないくらい溺愛して、でろでろに甘やかして尽くしまくってやる。
｢…Aの事泣かしたら、今度は俺がぶん殴ってやるから、｣
｢幸せすぎて泣かせちゃうかもしんねーわ｣
｢うざ、｣
｢…まあ、任せてくれてありがとね、絶対不幸にはさせないから。｣
｢…当たり前じゃん、｣
こつん、と軽く拳がぶつかりあった。
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作者名：そり
| 作成日時：2020年8月4日 19時
