逆転満塁ホームラン！【Waku.m】 (ページ34)

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｢湧くん、早く行った方がいいっすよ！｣

｢や、待って今めちゃくちゃ心臓バクバクしてんだわ…｣

｢あーあ、彼女なしがとうとう俺だけに…｣

ひでえ話ですよ、と膝についた砂をぽんぽん払う後輩を横目にユニフォームの上から心臓を握り締める。

…告白って、どうやんだ。

された事はあってもした事はないんだけど、

…ああ、詰

｢湧くん！足音します！！！｣

｢えっ、｣

耳を傾ければ、確かに、足音が、

｢…顔真っ赤ですよ、頑張ってくださいね｣

にやにやする後輩に背中を押され、廊下に出る。

ど、どんな顔して会えば…、
試合後で疲労困憊の頭で考えても、思い浮かぶのは耳まで赤くして、 "｢好き｣" と言ったAちゃんの顔。

…本当は俺から言いたかったけど、過ぎてしまったものは仕方ない。

ホームランを打って、もう一度俺から言うって約束したんだろ。

そう決意して俯いていた顔を上げると、

｢湧、｣

｢…はあ？｣

｢ふん、残念だったね、Aじゃなくて！顔真っ赤にしちゃって、ほんと間抜け面！｣

｢おまっ、ふざけんなよ！俺の決意返せ！！｣

思わず気の抜けた声が出る。

なんで、平塚なんだよ。

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