逆転満塁ホームラン！【Waku.m】 (ページ4)

今日:23 hit、昨日:20 hit、合計:177,682 hit

04 ページ4

･

｢こっち？｣

『そうですけど…鞄、自分で持ちます。ほんとに大丈夫ですから、』

｢しつこいねーAちゃん、今倒れたらこんな人の多い駅前でまた俺にお姫様抱っこされるんだよ？いいの？｣

『え、保健室まで元木くんが運んでくれたんですか？！ごめんなさい重かったですよね…』

慣れない駅で降りて、Aちゃんの家に向かう。謙虚な姿勢を崩さない彼女に少し意地悪してみると、しゅんと眉を下げた。

…や、まじ可愛いわ、この子。
なんで今まで知らなかったんだろ、

｢…いや？バットと同じくらいだった｣

『何それ、重いってこと？』

｢ばか、Aちゃんくらい余裕だわ(笑)俺意外と筋肉あるよ、触る？｣

『や、恥ずかしい、』

｢恥ずかしくないって｣

何を恥ずかしがる事があるんだ、ウブ過ぎん？一旦立ち止まってシャツを捲る。
野球してるからそれなりにはあると思うんだけど。

恐る恐る俺の腕に人差し指をちょんちょん、と2回続けて当てたAちゃん。ぐっと力を入れると、｢かたい！｣と嬉しそうに今日一の笑顔を見せた。

『凄ぉ…』

｢な？意外とがっちりしてるっしょ｣

『うん、さすが運動部だね』

｢まあね、Aちゃんはぷにぷに(笑)｣

そう言って彼女の二の腕を2回触ると、照れたような、でもほんの少し嫌がる素振りをみせて歩き出した。

･