逆転満塁ホームラン！【Waku.m】 (ページ24)

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電車を降りて、2人並んで歩く。

一度Aちゃんが平塚に電話を掛けたけど、出ることはなかった。

『…、』

｢不安？｣

『うん、喧嘩なんて初めてだから。』

｢そっか、まああいつの事だし意外とケロッとしてるかもよ？｣

…あー、なんで2人の仲を取り持つようなこと言ってんだ俺。

悲しい顔をする好きな子を見たくないって気持ち半分と、そのまま平塚と疎遠になっちゃえばいいのになって気持ちが半分。

あっちに傾いたり、こっちに傾いたり。

『そうかな…。お母さん伝に体調崩してるっていうのは聞いてるんだけどね、しょうまが来てって連絡して来ないのなんて初めてだから』

｢…そうなんだ、｣

『しょうまは私離れする、って言ってたけど、実際出来てないのは私の方なのかもね』

そんな悲しそうな顔しないでよ。

繋がったままの右手にぎゅっと力を込める。

Aちゃんを泣かすな！ってもう1発殴ってやろうかな、

しょうもない事言ってんじゃねえぞって。

『…ごめんね、せっかくのお出掛けだったのに』

｢別に？むしろまた2人で出掛けられる口実ができてラッキーって思ってる、｣

『…うそだあ、』

｢がちだって (笑)｣

Aちゃんの家を通り過ぎて、2軒先

平塚の表札を前に、自然と繋がっていた手は解けた。

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