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今日は日曜日、そう
びっくりするほど順調にその日はやってきて、風の噂で平塚がずっと学校を休んでるからだと聞いた。体調を崩してるらしい。
早く来すぎたかな…なんて思いながらショーウィンドウで前髪を整えていると、クスクス笑うAちゃんとガラスの反射で目が合った。
『湧くん、お待たせ』
｢や、待ってないって、｣
『暇だから前髪整えてたんじゃないの？(笑)』
｢恥ずいから忘れて！｣
…Aちゃんってこんないたずらっ子な顔もするんだ、
やっぱ可愛いな、もう少し早く存在を知りたかった。まあ今そう思っても遅いけどね、
映画の時間があるから行こっか、と歩き始めて数分。
ひとつ、めちゃくちゃ気になることがあって。Aちゃんはあんまりスマホを触る方じゃないんだけど 今日に限ってソワソワと電源を付けたり落としたりを繰り返している。
｢…Aちゃん、段差、｣
『あ、ごめんありがとう…』
｢歩きスマホ危ないから一旦しまったら？｣
『うん、』
Aちゃんは小さく頷いて閉じたわけだけど、やっぱり何処か心ここに在らずって感じ。
…せっかくのデートなのに、こんなん虚しいじゃん？
たまたま手の甲が触れたのを装って、そこからAちゃんの手を無理やり繋ぎ止めた。
『、湧くん？』
｢…だめ？｣
『…ううん、だめじゃないけど』
｢Aちゃん危なっかしいからさ、｣
照れを隠しながら チケットを買って、薄暗いシアタールームに入る。
ちらほら人がいるだけで そこまで多くはない。
後ろの方に並んで腰を下ろした。
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作者名：そり
| 作成日時：2020年8月4日 19時
