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｢なんで平塚にそんな事言われんといけんの？｣
｢Aは俺のだもん、｣
｢ただの幼馴染が何言ってんだよ、…知ってる？それ依存｣
｢、依存じゃないし！｣
言葉を遮られて、思い切り肩を押されて尻もちをつく。
声を荒らげる平塚に 落ち着けよ、と声をかけようと顔を上げると、目に入った光景にギョッとする。
…泣いてる、？
｢…湧が知らないこと教えてあげようか？｣
｢知らないこと？｣
｢Aね、腰の辺りにほくろあるんだよ。寝る時にいつも布団蹴飛ばすし、スマホの暗証番号は誕生日だし、｣
｢お前、｣
ペラペラとAちゃんの事を話していく平塚の顔は、やっぱり泣きそうで。
少し怖くなって、もうやめろ、そう立ち上がって止めようとすると、
｢Aの事なら何でも分かるよ、無防備なんだもん、物の位置が変わってても気付かないとか笑えるよね｣
と、Aちゃんの寝顔が写ったスマホを左右に揺らした。
…、こいつ、まじで有り得ねえだろ。
｢、お前いい加減にしろよ！｣
｢殴ればいいじゃん、すぐにA呼ぶから。湧が悪者になるだけだよ｣
胸ぐらを掴むと、泣きそうな表情から一転、余裕そうな笑みを浮かべた。
｢…お前、ほんとAちゃんの事しか頭にないのな｣
｢うん、分かったなら手引いてよ｣
｢あいにく、もう戻れない所まで来てるんだよなあ｣
｢え？…い、っ、｣
｢今の平塚、めちゃくちゃダサいよ｣
悪者になるつもりは微塵もないけど、俺は幼馴染という立場を利用して甘えてばかりのお前を許せない。
1発、腕を振りかぶった。
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作者名：そり
| 作成日時：2020年8月4日 19時
