続き２（後半実弥side） ページ39
花魁を嫌悪の表情で見つめる鬼。
潰れた喉から引き離された花魁の首を持ち上げ、まじまじとその死に顔を見つめている鬼。
鬼)「顔立ちは悪く無いが、こんな爪楊枝みたいな身体してる女なんて食っても美味かぁねェんだよ。」
そして今度はAを見つめる。舐めるようなその視線に怖気が止まらない。
震えて後ずさるもこの部屋は一番奥にあるため一方向にしか逃げ場が無い。何とか廊下まで出るも、その跡は腰が抜けて動けない。ついに廊下の壁を背後にしてしまった。
鬼)「けどよ…、」
どんどん鬼が近づいてくる。
鬼)「お前は……。」
整った顔立ちだからこそ、狂気じみた雰囲気が恐ろしい。
鬼)「喰い甲斐がありそうだァァァァ！！！」
『________っ！！』
その時だった。
？)「風の呼吸 陸の型 黒風烟嵐」
ﾋﾞｭｵｫｫｫｯ！！と風が吹き、窓や壁が壊れる音がした。
顔を上げればそこには、切り離された鬼の頸、そして見知らぬ男が立っていた。
『………え？』
思わず、その場に座り込んでしまった。
傷だらけの男の顔が恐ろしかったのか、それとも鬼が恐ろしかったのかはAでもわからなかった。ただ分かるのは、“助かった”ということだけだった。
実弥side
町外れの切見世で鬼が現れたと聞き、早速討伐へ向かった。店では既に女将と床に伏せている遊女が殺されていた。だが部屋を出た廊下で今まさに鬼に喰われそうになっている遊女を見つけ、鬼の頸を斬った。
ふと廊下側に目をやると、一人生き残った遊女がぺたりと座り込んでいた。
化粧で彩られたその顔は、遊女というよりも少女だった。大人っぽくもまだあどけなさが残り、ズレた着物からは白く細い脚が露出していた。
目いっぱいに大粒の涙を溜めて震えている。
血の付いた頬に触れ、少し撫でてやると声も出さずすすり泣いた。
これこそAと実弥が出会ったきっかけだった。この後Aは実弥と紹介で風の呼吸の育手に引き取られた。
それからAは呼吸の才能を見出し、すぐさま実弥の継子となった。
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蓬(プロフ) - 夜凪碧さん» ありがとうございます、励みになります！ (2020年11月6日 17時) (
レス) id: 3c1526f3a9 (このIDを非表示/違反報告)
夜凪碧(プロフ) - 文章が上手で物語が捉えやすいです！！！それに内容もとても面白いです！！！！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年11月6日 17時) (レス) id: be53cfd8d7 (このIDを非表示/違反報告)
蓬(プロフ) - ルナさん» すみません！すぐ直しますね。ご指摘ありがとうございます。 (2020年10月31日 8時) (レス) id: 3c1526f3a9 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - たんじろうって漢字は次じゃなくて治で「炭治朗」ですよ (2020年10月30日 21時) (レス) id: 6d97165307 (このIDを非表示/違反報告)
蓬(プロフ) - 静乱さん» ありがとうございます！まだ物語は進んではいませんが、これから頑張って行きます。 (2020年10月15日 20時) (レス) id: 3c1526f3a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蓬 | 作成日時：2020年10月10日 23時
