不死川邸 ページ36
『ただいま戻りました。』
だだっ広い屋敷の玄関でつぶやく。
Aは今日も野菜や肉の入ったスーパーのレジ袋両手に不死川邸へと帰宅した。
不)「…おう、」
奥の座敷で実弥の声がする。
部屋の襖を開けて雄英体育祭の事後報告を済ませると、すぐに夕餉の支度をすると告げて部屋を出ようとする。
すると____
レロッ。
『？！』ﾋﾞｸｯ
『し、……師範…？』
耳を実弥に舐められていた。状況が全く掴めないまま、動けない。
『何、を…。』
不)「はあァ…？」
『……っ。』
舐められて少し湿った耳に実弥の生暖かい吐息がかかり思わず身体がはねる。
不)「何もクソもねェ。こちとらずっと抑えてたんだよ。お前が“死んだあの日”から。」
___私は貴方を、愛しておりました。
最期にそう言ったAの表情は、実弥の脳裏に焼き付いて離れない。全く笑わなかったAが今、自分のためだけに笑っているという高揚感。そして目の前で死んでいくという絶望感に打ちひしがれた。
伝えたかった。
不)「(お前だけじゃねェんだよォ。)」
伝えたくても伝えられなかった。
不)「好きだ。A」
そう呟いてAの肩を掴みふりむかせると返事も待たず強引に唇を重ねる。
『ぅん…？！』
ちゅ、と短い音が鳴った後、少し間を置きまた唇が吸い寄せられる。今度は少し、粘着質なキスだった。
『師、範…んぅ。っ…、ん。』
不)「っは。これくらいでへばってんしゃねえよォ。」
やっと実弥の唇から逃れると、返事はァ。と聞かれる。
『…え？』
不)「返事だよォ。お前は、どう思ってる。」
『私は…。』
返事なんてそんなもの、とうの昔に決まっている。だが、その言葉は喉の奥につっかえて中々口から出てくれなかった。
『(今ここで伝えなければ。)』
実弥の思いを無下にする事など出来ない。
少し息を吸って、実弥の目をみる。
『____私は貴方を愛しております。』
そう言ったAの表情は勿論、まるで心に光がさしたかのような、眩しい笑顔だった。
長らく更新せず申し訳ありませんでした。定期テストだったもので…。
イチャラブシーンは初めてなのでグダグダですが、私なりに甘々に致しましたので、楽しんで頂けたら幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
by蓬
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 118人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
蓬(プロフ) - 夜凪碧さん» ありがとうございます、励みになります！ (2020年11月6日 17時) (
レス) id: 3c1526f3a9 (このIDを非表示/違反報告)
夜凪碧(プロフ) - 文章が上手で物語が捉えやすいです！！！それに内容もとても面白いです！！！！更新頑張ってください！応援してます！ (2020年11月6日 17時) (レス) id: be53cfd8d7 (このIDを非表示/違反報告)
蓬(プロフ) - ルナさん» すみません！すぐ直しますね。ご指摘ありがとうございます。 (2020年10月31日 8時) (レス) id: 3c1526f3a9 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - たんじろうって漢字は次じゃなくて治で「炭治朗」ですよ (2020年10月30日 21時) (レス) id: 6d97165307 (このIDを非表示/違反報告)
蓬(プロフ) - 静乱さん» ありがとうございます！まだ物語は進んではいませんが、これから頑張って行きます。 (2020年10月15日 20時) (レス) id: 3c1526f3a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：蓬 | 作成日時：2020年10月10日 23時
