男の人 ページ29
シンと静まり返った家の中は不気味に感じられた。
いつもだったら聞こえないはずの音が聞こえたり、昔の父と母が浮かんできたりする。
私は思考を停止させるために、アーニャお姉ちゃんと見ていたスパイアニメを見ることにした。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
見始めて、一時間は経ったけど、全然面白くない。
久しぶりに未来、見ようかな･･･。
大きく深呼吸をして、体全体に意識を巡らせる。
『ない･･･。』
未来が、見えない･･･。
心も読めないし、未来も見えない。A、要らない子･･･。
アーニャお姉ちゃんにバレたらどんな顔するだろう･･･。
私は何も考えたくない一心で、夜中のマンションを飛び出した。
だけど、何も持っていない私には家に変えるしか術は無かった。
それでも帰りたくなくて、少し近くの公園で泣いていると、母にそっくりな男の人が私の座っているベンチに腰掛けた。
「君、どうしたの？両親と喧嘩でもしたのか？」
『ちが･･･。』
泣きながら必死に否定する私を見て、男の人は何も言わずに頭を撫で続けてくれた。
その手は、父のように優しい手だった。
数分が経った頃、男の人は立ち上がり、
「何があったか知らないけど、早く家に帰るんだよ。」
そう言い残し、男の人は公園を後にした。
私は言われた通り、家に帰りソファーに寝転がった。
そこから意識はプツンと途切れた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
「ただいま。」
「たらいまれす〜。」
父と母の声が聞こえた気がして目を開けると、そこには父と母、抱き上げられたアーニャお姉ちゃんがいた。
近くにあった時計を見て、自分が何をしていたか理解した。
どうやら寝てしまっていたようだ。
「A、そんなところで寝たら風邪引くぞ。ベッドで寝ろ。」
『はぁい。』
少し寝ぼけたようなフラフラした足取りでベッドルームに向かう。
父はアーニャお姉ちゃんを私と同じベッドに降ろすと、
「おやすみ。」
そう言って、静かにドアを閉めた。
帰ってきた時の母と、公園で会った男の人の顔が重なったのは気のせいだろうか＿＿＿？
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Shizku/0716 - 朝はパンよりご飯派さん» ごめんなさい！分かりにくかったですよね。ラニアンは私のオリジナルキャラクターで、ダミアンの双子の兄、という設定にさせて頂いてます。誤解を招いてすみません。 (2022年6月12日 18時) (
レス) id: d6a0ce7232 (このIDを非表示/違反報告)
朝はパンよりご飯派 - あのラニアンって誰ですかね？検索しても出てこないんですけど(￣▽￣;) (2022年6月12日 14時) (レス) @page42 id: 913863b25c (このIDを非表示/違反報告)
tomokizyosi(プロフ) - こちらこそ✨楽しく読ませていただきます (2022年5月20日 17時) (レス) id: be794d2ad7 (このIDを非表示/違反報告)
Shizku - tomokizyosiさん» ありがとうございます！更新頑張ります！ (2022年5月19日 22時) (レス) id: d6a0ce7232 (このIDを非表示/違反報告)
tomokizyosi(プロフ) - アーニャこの小説好き更新«٩(*´ ꒳ `*)۶»ﾜｸﾜｸ (2022年5月19日 17時) (レス) @page8 id: be794d2ad7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Near | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Naer/
作成日時：2022年5月14日 17時
