点数 ページ24
「『100点満点です。父も母も面白くて優しいです。ずっと一緒がいいです!』」
私達がそう言い終わると、父と母は唖然とした顔で此方を見ていた。
父と母の目がその時少し潤んでいたのは秘密。
「じゃあ今のママと前のママ、どっちが高得点だ?」
意地悪な質問に視界が歪んだ。
「質問の変更をお願いします。」
「駄目だ。答えなきゃ減点だ。」
そう話す父とおじさんの声が遠くに聞こえて、
気付けば、レストランの時のように滴が頬を伝っていた。
アーニャお姉ちゃんも泣いていた。
「マ・・・マ。ママ・・・。」
「そうかそうか、やっぱり前のママの方がいいか。」
そう言うおじさんに怒りが込み上げてきて口を開こうとしたその時、
「あんまりです!」
母の大きな声が響いた。
「ヨルさん落ち着いて。」
「うちは親元を離れた子供も沢山いる。些細なことでいちいちベソかいてちゃ、この学校じゃやっていけんぞ!」
「些細なこと・・・、ですか。」
「なんだい奥さん。先妻に負けたからってそう怒るなよ!」
私がギュッっと手を握った時、
ダンッと大きな音が響いた。
驚いて顔を上げると、父が机を殴っていた。
「失礼。蚊が居ましたもんで。」
「本日はありがとうございました。」
そう言い、私達の手を引いて部屋を出る母。
その後、父とおじさんが何かを言い争っていたけど、あまり聞こえなかった。
________________________
家に帰ってからは、皆魂が抜けたように項垂れていた。
「お茶、淹れてきますね。」
そう言い、フラフラとした足取りでキッチンに向かう母。
『父・・・。ごめんなさい。Aテスト頑張れなくて・・・。ごめんなさい。』
「アーニャも・・・。ごめんなさい。」
そう私達が小さな声で言うと父はいいんだと言って優しく頭を撫でてくれた。
「父、アーニャ学校行きたい。」
『Aも行きたい。』
任務が失敗したら・・・。学校行かないと、一緒が終わっちゃう・・・。
父は暫く悩んだ後、母がお茶を持ってきたのと同時に言った。
「しかし合格は絶望的だな・・・。」
「いえ!きっと大丈夫ですよ!」
うんうんと母に頷く私達。
A不合格________?
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Shizku/0716 - 朝はパンよりご飯派さん» ごめんなさい!分かりにくかったですよね。ラニアンは私のオリジナルキャラクターで、ダミアンの双子の兄、という設定にさせて頂いてます。誤解を招いてすみません。 (2022年6月12日 18時) (レス) id: d6a0ce7232 (このIDを非表示/違反報告)
朝はパンよりご飯派 - あのラニアンって誰ですかね?検索しても出てこないんですけど( ̄▽ ̄;) (2022年6月12日 14時) (レス) @page42 id: 913863b25c (このIDを非表示/違反報告)
tomokizyosi(プロフ) - こちらこそ✨楽しく読ませていただきます (2022年5月20日 17時) (レス) id: be794d2ad7 (このIDを非表示/違反報告)
Shizku - tomokizyosiさん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2022年5月19日 22時) (レス) id: d6a0ce7232 (このIDを非表示/違反報告)
tomokizyosi(プロフ) - アーニャこの小説好き更新«٩(*´ ꒳ `*)۶»ワクワク (2022年5月19日 17時) (レス) @page8 id: be794d2ad7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Near | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Naer/
作成日時:2022年5月14日 17時