アーニャの妹【SPY×FAMILY】

理由 ページ18

「A、帰るぞ詳しい話は家で聞く。」





そう言い、私を抱き上げ家に向かって歩き出す母と父、そしてアーニャお姉ちゃん。






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「そして、何で急に泣き出したんだ？」





『ごめんなさい･･･。』






いつもと全然雰囲気の違う父を前に、私は謝ることしかできなかった。





「謝って欲しいんじゃない。理由を聞いているんだ。」






そう問い詰められ、視界が歪んだ。





『ごっ、ごめんなさ･･･』




ポロポロと瞳から溢れ出す滴を堪えながらやっとの思いで口にした言葉は父には届かなかったらしい。






「はぁ、もういい。」






父が去って行った後も涙が止まらない私を気にかけて母が声を掛けてくれた。







「Aさん、大丈夫です。ロイドさんはAさんのことをもっと知ろうとして、あんな言い方をしてしまっただけですよ。」






母の優しい笑顔が心に刺さって抜けなくなった気がして、余計に苦しくなった。







そんな私の心境を知ってか、アーニャお姉ちゃんは孤児院にいた頃のように頭を撫でてくれた。






『アーニャお姉ちゃん･･･。』






Aもう要らない子？心読めないから要らない子？父の質問に答えられなかったから要らない子？







アーニャお姉ちゃんは要る子･･･？






そんな事を考えてしまう自分が嫌になって、私は父に抱きついた。






『父、ごめんなさい。A、お腹凄く痛くて涙出ちゃった。』






許されるかどうかなんて分からない。こんな嘘、バレてもおかしくない。






「じゃあトイレを探しに行ったのか？」






きょとんとした顔でそう聞く父にさっきまでの緊張感と涙はどこかに行ってしまった。






『うん･･･！』






まだ一緒に居れる･･･！






そう思ってしまうのは可笑しなことですか？

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