Flower shop (JUMP×JUMP) (ページ10)

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ドアの前で深呼吸をして”コンコンコン”と扉を
ノックする。

スライドドアを開けると窓の外を眺めている

痩せてるけど一目惚れした日と変わらない山田がベットの上に座っていた。

『あ、知念早かった……。え？』

俺を知念くんだと思ったのか笑顔で振り返って

フリーズする山田。

｢久しぶり……。元気…なわけねぇよな。｣

『な、なん……で。大ちゃんがいるの？』

あまりにもびっくりしているのか
片言になった山田にそう聞かれた。

｢ちゃんと順を追って説明するからさ。座ってい
い？｣

山田のベットのそばの椅子を指さして聞くと

『うん、どうぞ』って言ってくれたので。

遠慮せず座って、改めて山田を見た。

付き合っていた頃と何も変わってない

綺麗な顔。可愛い声。頼りない視線。

付き合っていた頃より随分やせ細ってしまった身体

変わってしまったところと変わってないところを同時に感じて寂しくなっていると

『大ちゃん、なんで俺の居場所がわかったの？』

改めて、とでも言うように聞いてくる山田。

意を決して話す。

｢昨日、知念くんが大学まで尋ねてきたんだ。｣

｢それで、今までの事を聞いた。｣

｢涼介に会ってくれ。そう言われて。言われなくても
俺も会いたかったから直ぐにOKして今日来たんだ｣

｢勝手でごめんな。会いたくなかったかもしれないけ
どさ。俺は会いたくて仕方なかったんだよ。
気持ちを考えずに勝手に来てごめんな。｣

ここまで一方的に話して、山田の顔を見ると泣きそうな顔をしていた。

お前は何を隠してたの？

俺に、何を隠したかったの？

聞きたかったけど。山田が自分から話してくれるのを待った。

『病気が分かったのは4ヶ月前だったの。
最初は疲れが溜まってるんだと思ってた。』

『でも、念には念をって病院に行ったら思いの外
大きな病気で……最初は隠して大ちゃんと付き合
おうと思って、1ヶ月くらい頑張ったんだけど。』

『段々、目に見えて症状が出るようになっちゃっ
て。もう、隠せないなって……っそれで。』

『っ……ほんとに勝手なんだけど、別れを告げて全
部消して入院することにしたの。』

『大ちゃんの重荷になりたくなくて……
酷い彼女だけど…
俺の事を忘れて欲しかったの……』

山田も山田なりに沢山考えてたんだ。

途切れ途切れの言葉。

綺麗な瞳から流れる綺麗な雫。

彼を攻めることなんて何も無い。

だって……