Flower shop (JUMP×JUMP) (ページ7)

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…………

あれからさらに3ヶ月の時がたった。

それでもやっぱり忘れられなくて。

高木には心配される日々だが、それでも俺の中には彼の存在が色濃くしつこいほど残ったままだった。

ある日、大学の講義が終わって1人帰ろうと校門に向かっていると

『すみません、有岡大貴さんですか？』

と小柄で可愛い雰囲気の男の子に話しかけられた。

｢あ、はい。そうですが……。どちら様ですか？｣

『急にすみません、僕はA大の知念侑李と言います』

と自己紹介をしてくれた知念くんは、俺の行く大学よりはるか頭のいい大学の2年生。

同い年だった。

『実は、山田涼介のことでお話がありまして…』

山田涼介

その名前に心臓が嫌な振動を始める。

忘れようと思ってるのに……

彼は山田の何を知っているのか。

怪しいとか、初対面とか。

そんなこと、どうでもよかった。

山田のことを知りたい、その一心だった。

｢近くのカフェでもいいですか？聞かせてください｣

そうして無言のまま2人で大学近くのカフェまで歩き、窓際の席に着いた。

飲み物を頼み、ウェイトレスさんが運んでくれて。

一口飲んで落ち着いた頃。

『僕、涼介の幼なじみなんです。』

そうやって話し始めた知念くん。

『涼介と僕は幼稚園からの仲で、高校まではずっと
一緒にいました。』

『だけど、大学はお互い夢を追うために別れたんで
す。ま、彼の頭があんまり良くなかったのもあり
ますけどね…(笑)』

そうやって昔を懐かしむように上を見ながら話す
知念くん。

知らなかった。

山田に幼なじみが居ること。

『それで、本題なんですけど……』

そこから知念くんが話す話は信じられなかった。

『涼介、今入院してて、1週間後手術なんです。』

『病気がわかったのは今から3ヶ月…4ヶ月前です。
多分、有岡さんには話してないですよね。』

初耳だ。

そんな話聞いたことも無い。

『大ちゃんには心配かけたくない。と泣きながら
電話してきましたから。』

切なそうな顔をする知念くん。

『なかなか難しい病気らしくて、手術が成功するか
どうかも、完治するかも分からないらしいんです』

『それで、病気の俺は大ちゃんの重荷になっちゃう
から。一緒にいることは出来ないって別れを切り
出したんです。涼介から、理由も告げずに』

そうだ。
あの時の山田は何も教えてくれなかった。