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ハルジオン (arym) ページ6

arym (Real×) 切

ar

別れを告げられたのは突然だった。

あれは一目惚れ。

一瞬で恋に落ちていた。

大学1年の入学式、桜の花びらの舞う道で桜を見上げ
佇む彼に一目惚れをした。

人生初の一目惚れだった。

猛アタックした。もうそれは引かれるくらいに。

最初は警戒心MAXだった彼も、段々としつこすぎる俺にいやいやなりに心を開いてくれ、友達になれた。

そこからは、毎日気持ちを伝えて。

少しでこぼこな友達生活にもそこそこ満足していた。

しかしある日

彼が折れたように

『お試しからでもいいなら、付き合おう。』

って言って、照れて笑ってくれた日は泣くくらい嬉しかった。

幸せだった。

毎回学校が終わるとそのままどちらかの家に行って
映画を見たり、嫌いな先生の話をしたり。

もちろん恋人らしいこともした。

いつになってもキスに照れる彼が可愛くて仕方がなかった。

幸せだった。

幸せなはずだった。

なのに1週間前。

『もう、大ちゃんとは付き合えないや。ごめん』

そんな一言の電話で俺との関係を終わらせた君。

｢なんで？｣

も

｢俺のどこが嫌になったの？｣

も。

何も聞かせてくれなかった。

聞けなかった。

その後すぐに彼のメールアドレスも電話番号も変わってしまって。

いつの間にか大学も辞めていた。

いつも一緒に過ごしたあのアパートも引っ越してしまっていた。

彼の何もかも知ってるつもりだった。

でも、君の存在が目の前から消えた今、

彼の気持ちも、彼の想いも何もわからなくなって

自分の無力さに涙が出るものの

何も出来ないもどかしい日々が続いていた。

彼があまりこの関係を公言したがらなかったから、
彼との関係を知っている人は少なく、唯一なんでも話せた高木に毎日と言っていいほど相談した。

俺のどこが悪かったのか。

なぜ急にこんなことになってしまったのか。

いつも泣きながら相談すると、決まって高木は

｢大ちゃんは悪くないし、山田くんにもなにか理由
があったんだよ。｣

と優しく慰めてくれた。