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理由はいらない (inym) ページ3

inym リアル

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俺には可愛い彼女がいる。
あれは二週間前。
玉砕覚悟で挑んだ告白がまさかのOKで。

『俺も…好きだよ……。伊野尾ちゃんのこと。』

なんて可愛く言われて晴れて恋人だ。


そんなしあわせいっぱいにみえる俺にも不安がひとつだけある。

それは、まだ、手を繋いだことすらないこと。
どんなタイミングでどんなシチュエーションで手を取ればいいのかわからず、まだ、何も出来ていない。

『ね、伊野尾ちゃん考え事?』

悩みすぎて隣にいる恋人を暇させてしまったようだ。

「大丈夫だよ、山田。なんかあった?」

何かを言いたそうな山田の表情は少し暗い

『あ、あのね。気持ち悪かったらね、聞こえない
フリして欲しいんだけど……』

「大丈夫だから、言ってみ?」

『今日ね、キスの日なんだって。』

「え?キスの日?」

『そう。キスの日なの。』

「そーなんだ」

『俺も知らなかったんだけどね(笑)、
伊野尾ちゃんと、付き合えてからまだ手も繋げて
なくて、知念に相談したの。』

「うん、そしたら?」

『涼介知ってる?明後日キスの日なんだって。
チャンスじゃない?って。』

「おお、笑」

『だからね、勇気出してね。言ってみようかな
って。』

「なるほどね。」

俺が勇気を出せば良かったのに、山田を悩ませて
理由をつけてまで言わせてしまうなんて。
彼氏としてちょっと情けない。

『だからね、伊野尾ちゃんが嫌じゃなければ……』


勇気をだしてキスの日の話を出したはいいものの、不安になったのか……、恥ずかしいのか。


その先が言えないじれったさと可愛さに悶えつつ、ここまで彼女に言わせておいて何もしないのは男の恥だ。

山田の肩を寄せて優しくキスをした


『え、い、のぉ……っっ』


何も言わずに初めてのキスなんてしたから、可愛い恋人はキャパオーバーなようだ。
真っ赤な顔が可愛くて仕方がない。

「これで今日からは毎日キスできるな。」


理由がなくても山田に触れられる。そんな距離感に
幸せさを感じながら、わざと山田の顔を覗き込む。


真っ赤な顔を両手で押えていて、そんな可愛さに頭を抱えた。



理由はいらない
fin

今日はなんの日? (arym)→←お話の前に注意



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設定タグ:Hey!Say!JUMP , ありやま , いのやま   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:しとらすみんと | 作成日時:2020年7月12日 23時

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