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家に上がった先輩は持っていた紙袋から色んな布を出して
「ほい。着れないでしょ着せてあげるから」
『俺の意思の有無は?』 「ないかなぁ」
とサクサクと俺に浴衣を着せ始めた
「弟ので、山田色白いから紺とか黒とか落ち着いて
るのが似合うと思ったんだよねぇ」
と間延びした声で浴衣を説明をしたら
「ほい。出来たから、荷物もって会場いこ?」
とあっという間に着付けられて、巾着まで渡される。
素直に中にお財布とケータイを入れて準備をしていると、先輩は下駄を持って先に玄関に行くと。
『先輩自由かよ』
嵐のように訪れた先輩に振り回されながら準備を整えて小走りで玄関へ
「いいね、見立てどおり。似合うね山田」
先に玄関にいた先輩が振り向いてサラッと褒めるから、振り回されているのに悪い気がしなかったなんて相手には言わない。
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会場に着くとさすがは夏祭り
屋台がズラっと並び、人人人で埋め尽くされていた
ドンドンと太鼓の音も聞こえる
「今日、20時から花火上がるらしいから見ようね」
先輩は太鼓の音に紛れないように、少し屈んでそう言った。
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急に来た時こそめんどくさいと思った夏祭りだが、来てみたら楽しいもので。
焼きそばにりんご飴、たこ焼きに綿菓子と夏祭りの雰囲気にどっぷり浸かって楽しんでいた。
『先輩射的あるよ!しようよ!』
お腹が満たされるとゲームがしたくなる。
射的の屋台を見つけて思わず駆け出そうとしたら
「はぐれたら困るから。急がなくても屋台は逃げな
いよ?やまだ。」
流れるように繋がれた手
山田って呼びながら優しい顔で目を見てくるんだから困る。
『ご……めん、なさい』
つい素直に謝ってしまう
「離さないでね」
また同じ顔して見つめてくる
調子が狂うからやめてほしい、ほんとに。
『ほ、ほら!先輩射的!射的しよう!』
胸の高鳴りを気のせいにしたくて繋がれた手を強引に引っ張って屋台へ走った
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作者名:しとらすみんと | 作成日時:2020年7月12日 23時