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赤葦くんデビュー ページ16

入部初日、練習後の体育館にモップをかけているときのことだった。


「なあ、アカシくんだっけ」

「赤葦です」


いきなり名前を間違えられた俺はさり気なく、かつ素早く誤りを訂正する。


……ボクトコウタロウに話しかけられてしまった


冷静な表情でいたものの、憧れの先輩と初めて顔を合わせた俺はめちゃめちゃ緊張していた。

実はこの高校に来たのは、木兎さんのプレーを見たのが理由なのだ。


そんな選手とレギュラーでバレーをしたい、と入部当初の俺はかなり力んでいたと思う。


「なあ、ちょっとだけスパイク練習つきあってくんない?」

「っ、はい、わかりました」


焦った俺が返事をしている間に、気づけば先輩達はもう荷物をまとめ始めていた。


先輩達のあまりの速さに違和感を覚えながらも、俺はボール入れをネット横に引き寄せてトスを上げる準備をした。


俺がトスを上げると、木兎さんの腕から大砲のようにスパイクが放たれる。

初めて直にみる木兎さんのスパイクは、あまりに美しくて感動してしまった。

そうしてトスを上げ続けるうちにボールが底をつく。


「ボール集めるかー」


やっぱりすごい選手は練習量も多いんだな、と今日の練習を振り返りながらボールを拾う。そしてかごに入れ終わると同時に木兎さんはにっと笑った。


「よし、再開!」




「__それで、結局7時ぐらいまでやった」

「全然ちょっとじゃないね」


赤葦さんは遠い目をしながら笑った。

ちなみにこの話の最中、木兎さんのことを話すときは赤葦さんが木兎さんのマネをしてくれている。顔マネ付きで。


「赤葦、くんのモノマネすごい似てるよね、ふふ」


思い出すだけでも面白い。

流石に同級生にずっとさん付けは不自然だと思って赤葦くんに変えてみる。

ちょっと赤葦くんの様子を伺おうと、ちらっと見上げたら目が合った。


「これ?」

「それ一番好き、あは、ふふふ」


目が合った瞬間、赤葦くんが"ヘイヘイヘーイ"の顔をする。思わず女子らしからぬ笑い声が出そうになった。


普段赤葦くんが絶対に使っていない筋肉が動いている気がする。

赤葦くんが木兎さんみたいな表情をしている絶妙なミスマッチ感がたまらなく面白いのだ。小一時間は笑える。


「あ、ごめん」


笑いすぎて腕がぶつかってしまった。

いーえ大丈夫、と赤葦くんが笑って答える。


……今更だけど近いな。


距離を意識してしまったのを隠すように私は合わせてもらっていた歩幅を少し大きくした。

アカーシのハナーシ→←試合



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はるこん(プロフ) - 無気力なおバカさん» 恋愛と関係のないシーンなので入れるか迷っていたのですが、共感していただけてとても嬉しかったです!ペースは遅いですが、見捨てないで読んでいただければありがたいです笑 コメントありがとうございます! (2020年4月15日 19時) (レス) id: 99f376c927 (このIDを非表示/違反報告)
無気力なおバカ - 面白いです!!『文化祭の陰』のところの最後の「女子というのは恐ろしい」ってところものすごく共感します!!それと、赤葦くんやはりイケメンですねぇぇ。夢主ちゃんの性格もかわいくて素敵!!これからも更新頑張って下さい!!!!!! (2020年4月15日 2時) (レス) id: 9900cccf42 (このIDを非表示/違反報告)
はるこん(プロフ) - りんごあめさん» 一話書くのに時間がかかるタイプなので、内容を褒めていただけるのはとても嬉しいです!更新がんばります。 (2020年4月4日 10時) (レス) id: fde04c5d32 (このIDを非表示/違反報告)
りんごあめ - 初めて見ました!赤葦さがちゃんと残っていて、更に内容まで凝ってるだなんて!凄い技術ですね!これからも更新頑張ってください!楽しみにして待っています! (2020年4月1日 23時) (レス) id: e7faacb67c (このIDを非表示/違反報告)
はるこん(プロフ) - コメント嬉しいですーありがとうございます! (2020年3月27日 10時) (レス) id: fde04c5d32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるこん | 作成日時:2015年12月7日 22時

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