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「来週入籍して、式は秋頃に…」
「ちょ、ちょっと待って」
結婚?入籍?式?
つまり先日母親からメッセージが来たのは、陽香が結婚報告に行ったからってこと?
「まじか…えっと、おめでとう」
「ありがとう。もしかして、お母さん言ってなかった?」
「何にも。陽香が蓮を連れてきたって話だけ」
「もう。ちゃんと伝えておいって言ったのに。」
陽香は私より2つ下なので、たしかに結婚するにも良い年だ。
それに2人の付き合いが長いことは誰よりも良く知っている。
ただあまりにもあっさりと報告されすぎて実感が湧かない。
「お父さんはなんて?」
「ん?ちゃんとやれって。それだけ」
「へぇ…」
「式、Aさんもきてくださいね」
「いやうん、行くけどさ…」
兎にも角にもおめでたいことには変わりない。
蓮と顔を見合わせて笑う陽香は本当に幸せそうで、こちらまでなんだから気が緩む。
「ねえ、これから食事に行くんだけど、お姉ちゃんも行かない?」
「いいけど…」
「あ、そうだ、福良さんも誘ってよ!久しぶりに会いたいし」
学生時代には陽香と福良と3人で出かけることも多々あったが最近はめっきりだった。
確かに久々に会いたい、という気持ちはわかる。
福良が暇にしてるかどうかは別問題だが。
「じゃあちょっと電話してみるか」
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作者名:シロ | 作成日時:2021年3月19日 2時