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次の日。
明日は朝寝坊しようとアラームを切って眠りについたはずだったが、スマホの着信音で目が覚めた。
「はい…」
『あ、おねーちゃん?陽香だけど』
「なに…」
『今日暇?夕方頃行ってもいい?』
電話の向こうは妹の陽香だ。
母親とは折り合いが悪いが、妹は私の恋愛対象に特に興味もないらしく、仲良くやっている。
「良いけど」
『ラッキー!ちょっと話したいことあるから。蓮と行くね』
「はいよ」
蓮、とは陽香が付き合って長い彼氏。
陽香と蓮は時折、近くを通ったからとかなんとか言ってフラっと家に遊びに来て、特に何もせず帰っていくことがある。
今日もそんなところだろう。
朝寝坊しようとしたところを起こされたのは少し癪な触るが、可愛い妹に免じて許そう。
布団から出て、早めの昼食を作り始めた。
午後4時頃。
最近観始めたアニメの続きを再生していると、インターホンが鳴った。
「はーい」
「お姉ちゃん久しぶり〜」
「お久しぶりです」
相変わらず仲の良さそうな陽香と蓮を部屋に招き入れる。
ケーキ買ってきたよ、と差し出された箱をありがたく受け取った。
3人分のコーヒーを淹れて、ケーキを運ぶ。
「久しぶりじゃん。陽香も、蓮も。」
「うん、お母さんから聞いてると思うけど、お姉ちゃんには直接報告したくて」
「何?」
母親からは何も聞いていない。
やけにかしこまった様子の2人の前に座る。
「私たち、結婚するの」
「…は?」
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作者名:シロ | 作成日時:2021年3月19日 2時