【QK】レモンドロップを溶かして【Fkr】 (ページ15)

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俺の心配をよそに、東郷は寝落ちしただけだと言った。
確かに言われてみれば目がとろんとしている気がする。
さっきまでの焦りを返して欲しい。

せっかくここまで来たので東郷の帰りを待とうとソファに腰掛け、最近ダウンロードしたパズルゲームをプレイしてると、東郷がパソコンを持って来た。
ソファに一番近いコンセントに充電コードを差し込むと、俺の隣に座った。

「何それ？」

「新しくダウンロードしたパズルゲーム」

「ふーん」

自分で聞いてきたくせに興味がなさそうな東郷は、俺に背を向けるとそのまま腕に寄りかかって来た。
昔からそうだが、東郷の距離の近さは心臓に悪い。

「重いんだけど？」

「良いじゃん。減るもんじゃないんだし」

東郷がこうしてスキンシップというか、距離を詰めてくるのは決まって周りに誰もいない時だ。
そして東郷に恋人がいる時はこんなことはしてこない。
本人なりに気を遣っているのだろうが、それならば俺にも気を遣って欲しいと言いたい。

きっと東郷は俺がゲームに集中してるだろうと思っているが、好きな女に頭をもたげられて集中できるほど、俺のメンタルは強くない。
時々頭を動かした時に香るシャンプーの香りに、俺はただ画面を意味もなく触っていることしかできなかった。