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しばらく通ううちにこの店には常連客が多いことに気づいた。
店の扉を開けて中に入ると、一番入り口に近いところには大抵、大柄な男性が新聞を広げながら煙草を吸っている。
少し奥に行くとメガネをかけた年配の女性が会うたびに異なる本を広げている。
右手には窓際に茶髪の学生らしき男性がパソコンを開いて何やら打ち込んでいる。
そして、僕がいつも座る一番角の席の並びの反対側の角にはいつも決まって同じ女性が座っていた。
煙草の男性も、メガネの年配女性も、窓際の男子学生も、時々はいなかったり、僕より後に来ることもあったが、この女性は僕が訪れる時、いつもそこにいた。
きっと年は僕と同じくらい。
黒髪のストレートをハーフアップにまとめた彼女は、時々はパソコンを広げたり、時々はスケッチブックに何か描いていたり、また時々は本を読み耽っていたりした。
初めのうちはよく行く店の、自分と同じ常連の女性、だったが、そのうちどちらともなく目が合わせて会釈をしあう仲になった。
ただ会釈をするだけで特に言葉は交わさない。
この静かな空間でただただ目線を交わすだけだった。
ただ視線だけが交わるこの瞬間がとても心地よかった。
いつしか店に着けば彼女を一番に目で探すようになった。
今日もまたいつものように席に着き、上着を脱ぐときに目があった彼女に会釈をして、持参した文庫本を取り出す。
また同じようにコーヒーを注文してから、本を広げた。
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シロ(プロフ) - 夢小説大好きおばけさん» はじめまして。コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです…その後、いつかどこかで公開します:) (2021年3月3日 16時) (
レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
夢小説大好きおばけ(プロフ) - 初めまして、どの話も本当に素晴らしかったです。言葉選びが優しくて、特にKochanのエピソードが思い出話含め一番好きでした……！いつかその後を拝読できる日が来ることを願っています。 (2021年3月3日 15時) (レス) id: a1cfe06fe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロ | 作成日時：2020年12月24日 12時
