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当日。
朝は苦手だが何故かその日はすっきりと目が覚めた。
身支度を済ませ、家を出る。あまりすっきりしない天気だった。
駅に着くと約束の時間の10分前。
駅前のコンビニの前に立ち、メッセージを開く。
“おはようございます。コンビニの前に立っています。”
打ち終えてからアプリのトップ画面に飛んで次から次へと流れてくる投稿をスクロールした。
「楪さんですか」
しばらく無心でスクロールしていた私の頭上から低い声が聞こえた。
驚いて顔を上げると、そこには私より大分身長が高い茶髪の好青年が立っていた。
その手には私のと思しき学生証が握られている。
「そう、です」
「あ、初めまして。須貝です」
「楪です」
ペコリと頭を下げる彼に続いて私頭を下げた。
「すみませんわざわざ。これ、先に学生証です」
「ありがとうございます、本当に助かりました。」
学生証をしっかりと受け取って今度こそ財布にしまう。
そして顔を上げてもう一度彼の顔を見上げると、やはりあの人ではないか。
「文面から女性かと思ってました…」
思わずポロリと溢れると、須貝さんは歯を見せて笑った。
「期待外れでしたか」
「いえ、そう言うわけでは」
「冗談です」
動画と同じだ。人との距離の詰め方がうまい。
須貝さんの会話のリズムに巻き込まれる。
正直、YouTubeに出てますよね、と聞くか迷った。
絶対に本人だと分かっていたが、食事に誘ってしまった以上、視聴者です、と言うのは気が引けてしまった。
「お昼、行きますか」
ぐるぐると頭の中で考えていると、須貝さんがそう切り出した。
「そ、うですね」
「どこに連れて行ってくれるんですか？」
私が悩んでいるのを見破ったかどうかはわからないが、須貝さんは私にニッコリと微笑みかけた。
その笑顔に、思わずどきりとしてしまったのだ。
こんなシチュエーションで恋に落ちるなんてそんな運命的な出会いがあるわけがないと、この時までは思っていたはずなのに。
そんな考えがガラガラと崩れ落ちていく音が確かに聞こえた。
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シロ(プロフ) - 夢小説大好きおばけさん» はじめまして。コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです…その後、いつかどこかで公開します:) (2021年3月3日 16時) (
レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
夢小説大好きおばけ(プロフ) - 初めまして、どの話も本当に素晴らしかったです。言葉選びが優しくて、特にKochanのエピソードが思い出話含め一番好きでした……！いつかその後を拝読できる日が来ることを願っています。 (2021年3月3日 15時) (レス) id: a1cfe06fe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロ | 作成日時：2020年12月24日 12時
