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時刻は15時を30分ほど過ぎた頃。
そろそろ会社を出れば16時過ぎには福良さんのところへ着けるだろう。

「A、そろそろ出る?」

「はい、これがひと段落ついたら」

「課長が、直帰でいいって。明日の朝AC53渡して欲しいって」

「わかりました」

思いがけず早く退社できることになり、なんだか得した気分だ。
帰る支度をして会社を出る。福良さんにメールで連絡を入れ、駅へ向かった。

QuizKnockのオフィスの最寄りで降り、あと少しで着きますと再度連絡を入れる。
駅からはあまり距離はないようだった。


「Aさん。わざわざ出向いていただいてありがとうございます。よかったら上がってください」

マンションの一室に案内され、そのオフィスに入る。
本がびっしりと並んだ本棚が横に聳えるテーブルに案内され、腰を下ろす。
ちょっと待っててくださいね、と一度退室してから戻ってきた福良さんの手には私の私物。

「こちらですよね」

「そうです」

両手を添えられたペンを受け取る。これで明日をなんとか乗り切れるだろう。

「明日、またお届けに来ます」

「ありがとうございます。助かります」

福良さんにお礼を伝えて、腰をあげようとすると、福良さんと目があった。

「この後は会社に戻るんですか?」

「あ、この後は真っ直ぐ帰宅します」

「じゃあ、良かったら食事でもどうですか?僕ももう仕事が終わりそうなので」

「え、良いんですか」

「Aさんが良ければ」

福良さんと仲良くなりたい、と思っていたので突然の嬉しい誘いに緩む顔を制御できない。
ぜひ行きたいです、と答えると、福良さんは笑った。
準備してくるから少し待ってて、と言うと福良さんは部屋を出て行った。
思いがけず福良さんと食事に行けることになり、浮き足立つ気持ちを抑えながら、福良さんを待った。その先に私が思い描く以上の未来が待っていることは知らずに。

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シロ(プロフ) - 夢小説大好きおばけさん» はじめまして。コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです…その後、いつかどこかで公開します:) (2021年3月3日 16時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
夢小説大好きおばけ(プロフ) - 初めまして、どの話も本当に素晴らしかったです。言葉選びが優しくて、特にKochanのエピソードが思い出話含め一番好きでした……!いつかその後を拝読できる日が来ることを願っています。 (2021年3月3日 15時) (レス) id: a1cfe06fe2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シロ | 作成日時:2020年12月24日 12時

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