ゲレンデ ＃Izw ページ1
〈初めて貴女に出会ったのは銀世界の真ん中でした〉
撮影で訪れたスキー場。
ゲレンデ内の一つのコースを使ってスノーボードで上から下まで降りてくる間に何問クイズに正解できるかという至ってシンプルな動画。
久しぶりの体を張った企画に少しだけ不安を覚えつつも、企画前に体慣らしということで何本か滑ってみることになった。
その日は平日の昼間ということで人があまりいなかった。
普段とは違う厚着と、持ち慣れない重い道具を抱えながら4人乗りのリフト乗り場まで上がるとすでに汗だくだ。
片足だけボードを装着し、俺と乾とカメラマン、須貝さんとこうちゃんと山本とカメラマンの2組に分かれてリフトに乗り込んだ。
「伊沢さんスノボーやったことあるんですか？」
「やったことはあるけどあんまり得意じゃない記憶がある」
「あ、得意じゃないんですね」
「そうなんだよ、バランスを取るのが苦手なんだよね。乾はやったことある？」
「僕は何回かあります」
「結構滑れる？」
「うーん、滑れないことはないと思いますよ」
「乾が滑れないとこの企画危ういから頑張ってくれ」
「頑張ってはみます」
カメラが回っているのでなんとなく雑談をする。
大学生の時に友達と数回来たが、あまり上達せずに体だけ痛めて帰宅したという苦い記憶がよみがえる。
降り場に着き、やっとの思いでリフトから降りると、その先でさっそく足が絡まっているこうちゃんがいた。
どうやら今日は何もしなくても撮れ高には困らなさそうだ。
と、その時スッと横を1人のスノーボーダーが通り過ぎて行った。
音なく通り過ぎて行ったその人は颯爽と滑り出し、あっという間に見えなくなってしまった。
「うまいなぁ、あの人」
「あんなに滑れたら楽しそうですよね」
須貝さんとこうちゃんの声がするが、俺はその人が消えて行った方向から何故か目が離せなかった。
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シロ(プロフ) - 夢小説大好きおばけさん» はじめまして。コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです…その後、いつかどこかで公開します:) (2021年3月3日 16時) (
レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
夢小説大好きおばけ(プロフ) - 初めまして、どの話も本当に素晴らしかったです。言葉選びが優しくて、特にKochanのエピソードが思い出話含め一番好きでした……！いつかその後を拝読できる日が来ることを願っています。 (2021年3月3日 15時) (レス) id: a1cfe06fe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロ | 作成日時：2020年12月24日 12時
