【QK】取扱説明書【短編集】 (ページ8)

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いつもより大胆な子 #sgi ページ8

家に帰ると彼女の話し声が聞こえてきた。どうやら電話をしているらしい。
そっとドアを開けるとテレビ通話だろうか、画面を見ながら楽しそうに会話している。

「So, the thing is …」

留学経験がある彼女は留学先の友達と電話しているらしかった。
その会話を横で聞きながら手洗いうがいを済ませてリビングに戻ると、彼女に手招きをされた。
言われるままに画面を覗き込むと、そこには複数人の女の子が映っていた。

『Oh hi～』

「Hello」

女の子たちに釣られて挨拶をしながら彼女の隣に座る。

「This is my boyfriend〈私の彼氏〉」

『What? Seriously? Since when?〈え、まじで？いつから？〉』

「It’s been almost a year. Right?〈もう直ぐ一年、だよね？〉」

こちらに同意を求めてくる彼女。
来月で一年だね、と頷くと画面の向こうから歓声が上がった。

『OMG, I didn’t know that. You never told us!〈え～知らなかった～！教えてくれなかったじゃん！〉』

女の子は楽しそうだなあ、なんて彼女の方を見ると彼女もこちらを見て笑った。

『You guys are so sweet. I’m so happy for you〈お似合い！よかったね〉』

「Thank you.」

『You look so happy.〈幸せそう〉』

「Yes I am. I'm so lucky to have him.〈うん、幸せ。彼に出会えて幸せなの。〉」

彼女からこんな言葉が聞けるなんて。
画面越しに見る彼女は本当に幸せそうに見えた。

そして軽く雑談してから、ご飯作るから、と彼女は電話を切った。

「ごめんね、突然」

「ううん、珍しいね」

あまり周りに話したがらない彼女が友達に彼氏を紹介してくれるなんて。
しかも、"I'm lucky to have him."かあ。
思わずニヤけてしまう。

「英語だといつもより大胆になれる気がする」

「そう？じゃあ俺も、I'm lucky to have you だよ」

「んふふ、Me too」

嬉しそうな彼女に、ついでにもう一言伝える。

「I can’t think of you more.〈貴女のことこれ以上考えられない〉」

少し照れている彼女が愛おしくて思わず抱きしめる。

「I love you.」

彼女が小さく呟いた。

「Love you too. Now and forever.〈俺も。今も、これからも。〉」

そうして2人顔を寄せ合ってキスをした。

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Sgiさんに英語を喋ってほしいだけのお話でした…！
"I'm lucky to have you"は、恋人以外にも友達にも使えるので、ぜひお誕生日の時なんかに使ってみてください！