機嫌が悪い子 #fkr ページ1
「A」
「なに」
「Aちゃん」
「もう!なに!」
彼女の機嫌が悪い。
昨晩のラインで、明日は女の子の日だからきっと機嫌が悪いからと謝られたが、本当に機嫌が悪いとは。
女の子は大変だ。
月に一回この日々と付き合わなきゃいけないなんて頭が下がる。
機嫌だけじゃなくて体調もあまりすぐれないのか、顔色があまりよくない。
「A、お腹痛い?」
「…痛い。」
「薬は?」
「もう飲んだ!」
そう言ってまたそっぽ向いてむくれる彼女。
そんな姿も可愛いと思う。
「おいで」
両手を広げればちらりと見て、立ち上がってこちらへノコノコ歩いてくる。
俺の股の間に収まると膝を抱えて縮こまった。
側にあった膝掛けをとって肩にかけてやる。
「今日はゆっくりしようね」
そう抱きしめながら言えば、小さく頷く彼女。
「…ホットミルク飲みたい」
「入れてこよっか」
牛乳温めるくらいならすぐできる。
立ちあがろうとすると彼女にスウェットの袖を引かれた。
「まだここにいて」
思わず笑みが溢れる。
はいはい、と元の場所に戻ってやれば満足そうにまた懐に収まった。
「…プリン食べたい」
「じゃあ、後で買ってこようね」
「アイスは?」
「アイスはダメ。体冷えちゃうから。」
「…ケチ」
「なんとでも。Aのためだからね」
ゆっくりと時間が過ぎていく午後。
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作者名:シロ | 作成日時:2020年11月11日 13時