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その日の勤務を終え、いつもは一緒に上がる人と一緒に駅まで行くのだが、その日はたまたま社員さんと話し込んでしまって1人で駅まで向かっていた。
「あれ、Aさん？」
声をかけられて振り返ると黒田さんだった。
「あれ、黒田さん。さっき帰られたのかと」
「いや、ちょっと用があってね」
そう言って黒田さんは当たり前のように私の隣に並んで駅の方へ歩き始めた。
「Aさんも北口の方？」
「あ、そうです。２丁目なんですけど」
「奇遇だ、僕もだよ。じゃあ一緒に帰ろうよ」
「いいですよ〜」
この時は黒田さんは全く気さくな会員さんだった。
別に外でばったりあっても、家が近くても、何も思わなかった。この時は。
私がなんとなくおかしいかもと思い始めたのは、黒田さんに４回目に偶然会った時だ。
黒田さんに会うのは決まって私がたまたま1人で帰る日。
先に帰ってて、と言われたり、同じ方向の人がいない時だったり。
でも1人になると必ず黒田さんに声をかけられた。
「また会ったね。」
「あ、黒田さん…」
「一緒に帰ろう」
お客さんを雑に扱うこともできず、断ることもできない。
しかしだんだんと黒田さんの不気味さをなんとなく感じ取り始めていた私はそこで初めて怖い、と思った。
「すみません、私コンビニに寄るので」
なんとかして別々に帰ることはできないだろうか。
このままでは家までついてこられるかもしれない。
咄嗟にコンビニに寄る、と言ったが、そんなことで引き下がる人じゃなかった。
「うん、じゃあ僕はここで待ってるよ」
「あ、いや先に帰ってもらってても」
「なんで？どうせ同じ方向なんだし待ってるよ」
先日まではこの笑顔を不気味だと思うことはなかったのだが。今は目が笑ってないのがはっきりとわかる。
外で待ってる、と主張する黒田さんに恐怖心を抱き始めた。
どっちにしても今はコンビニに入る他無い。
コンビニに入って友達に連絡しようか、いろいろ考えながらコンビニに入る。
「あれ、Aちゃんじゃん」
「須貝さん…」
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ゆきんこ(プロフ) - こんばんは。コメント失礼します！ こちらの作品最っ高で読みながらニコニコしてました！ 完結おめでとうございます！！ (2022年6月3日 21時) (
レス) id: 83dccc5424 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - りみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！力になります！ (2021年1月15日 15時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - 毎回ドキドキしながら読んでおります^^*次回の更新も楽しみです！ (2021年1月15日 2時) (レス) id: 8d6821c78b (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 緋歌梨さん» ご指摘ありがとうございます！修正いたしました。誤字が多く読みづらくて申し訳ないです… (2021年1月6日 12時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
緋歌梨(プロフ) - コメント失礼します！4ページ目“振れられる”じゃなくて､“触れられる”じゃないですか？ (2021年1月6日 11時) (レス) id: ef32365840 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロ | 作成日時：2020年11月22日 1時
