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金曜日。オフィスでの作業を早めに切り上げてジムに向かう予定だったのだが、急遽撮影をすることになってしまった。撮影後にジムに向かうのは無理そうなので、彼女に行かれない旨を伝え、スマホを閉じた。
結局、撮影を終えた後もだらだらと終電近くまでオフィスで雑談をして、そろそろ帰ろうという福良さんの言葉でみんなが腰をあげた。
そのタイミングでずっと放置していたスマホを確認すると、彼女からのメッセージ。
“お仕事、お疲れ様です。お話したいことがあるのですが、近いうちにお時間いただけませんか”
話したいこと。その一文に「告白」という言葉が頭によぎる。
数日前に会った時の反応を思い出して、勝手に期待が膨らむ。
期待したところで、それを裏切られた時が辛いのはよく知っているはずなのに。
きっと何か別の相談だろう。そう思うようにして、明日空いている、とだけ返信をした。
「黒田さんが捕まったと、昨日警察の方から聞いたんです」
彼女の口から告げられたのは、ある意味告白ではあるが、期待していたものとは違った。
事情を説明され、一見落着したと、報告してくれた。
「本当によかったね」
これで彼女が不安に思うことが減るだろう。
もちろん危ないのは黒田さんだけではないので油断はできないだろうが。
「いろいろご迷惑おかけしました」
「迷惑なんかじゃないから。むしろAちゃんと仲良くなれて得した気分」
申し訳なさそうに頭を下げる彼女に、昨日よりももう少しだけの勇気を足してみる。すると彼女は複雑そうな顔をした。
この表情はどういう意図があるのだ。今までは彼女は感情が表に出やすいと思っていたのだが、最近は彼女の感情が読めない。
「あの、これからも連絡してもいいですか」
数秒の沈黙の後に彼女の口から出た言葉は、瞬時には脳内で処理できなかった。
「ストーカーに困ってなくても、メッセージ送ったりしてもいいですか」
「当たり前でしょ、どうしたの急に」
あまりに唐突な問いかけに、彼女が何を伝えようとしているのかが読めない。
次の言葉を待っていると、彼女は一点を見つめてから、言った。
「私、須貝さんのことが好きなんです。彼女じゃなくていいので、これからも須貝さんからの返事を待ってもいいですか」
きっと彼女自身は叶わないと思って吐き出したであろう「告白」。
振られてもいい、伝えるだけ伝えたい。そんな考えは俺の中で歳を取るごとに消えていった。
捨て身でもその言葉を口にしたのは、彼女が若いからか、それとも経験が浅いからか。
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ゆきんこ(プロフ) - こんばんは。コメント失礼します！ こちらの作品最っ高で読みながらニコニコしてました！ 完結おめでとうございます！！ (2022年6月3日 21時) (
レス) id: 83dccc5424 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - りみさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！力になります！ (2021年1月15日 15時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - 毎回ドキドキしながら読んでおります^^*次回の更新も楽しみです！ (2021年1月15日 2時) (レス) id: 8d6821c78b (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - 緋歌梨さん» ご指摘ありがとうございます！修正いたしました。誤字が多く読みづらくて申し訳ないです… (2021年1月6日 12時) (レス) id: 40ccbc89c0 (このIDを非表示/違反報告)
緋歌梨(プロフ) - コメント失礼します！4ページ目“振れられる”じゃなくて､“触れられる”じゃないですか？ (2021年1月6日 11時) (レス) id: ef32365840 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロ | 作成日時：2020年11月22日 1時
